昨年度まゆといとの記事に登場していただいた皆さんに、
生活や仕事へのコロナの影響と、今考えていることについて教えていただきました。
全3回の中編です。
まずは【前編】からご覧ください。
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【book cafe ebisu 鈴木亜紅子さん】
学校が3月から休校になり、幼稚園も同じく3月から登園自粛。家に子どもたちが3人いるので、カフェはお休みにして、JAファーマーズ富岡での委託販売のみという形で仕事をしています。
ぱん教室や味噌作りなどのワークショップもしばらくはお休みになり、毎年楽しみにしていた『夏休みワークショップ』も今年は見送りになりそうです。
今回のことで改めて、日々いろいろな人に支えられて仕事や生活をしているということに気づかされました。
小麦粉を作ってくれる農家さん、シフォンケーキに使う卵を卸してくれる地元の養鶏家さん、委託販売先のレジをしてくれるスタッフの方、日中子どもたちの勉強を見たり保育をしてくれる先生方など、それぞれの方に支えられて日々があったのだと。
また家庭では、こんな変化もありました。
すぐにお腹が空く子どもたちのために毎日三食作らなくてはならないので、そのうち一食は中学生の長男に任せることに。炒飯に一つだけ七味を入れたりとおふざけはしますが、だんだんと手際よく作れるようになり、家事力がかなり上がったと思います。
また、弟たちがやりたい放題になりだんだん母の雲行きが怪しくなると、それを察知した長男が「何か手伝おうか?」と私に言ったり、弟たちに「片付けて」と言うなど、空気を読んで行動できるようにもなりました。
コロナでおおよそ3か月もの間、いつも子どもたち3人が一緒にいるので、子どものペースで毎日が進んでいます。
今まではどこか毎日追われていた感じがあり、一緒に遊んでいても頭の中で「明日のお弁当何にしよう?」とか「早く終わってほしいな」など、次のこと次のことを考えてしまう自分がいましたが、しっかり今を見ていなかったかもしれないなと気づきました。
今後、しばらくは委託販売や持ち帰りのみになりそうですが、地元の良さに改めて気づいたこともあり、地元の食材を使って、沢山はできなくてもじっくり美味しいものを作っていきたいと思っています。
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【赤石涼帆さん】
普段は都内の出版社での仕事をしているのですが、4月から基本的には在宅勤務になりました。社員一同で業務の流れを見直し、無駄を省くことで、出社回数を最低限に減らすことができたのは、働き方改革の大きな前進だったと思います。
ですが、やはり直接会いたくなりますね。たわいもないお昼休みの会話や、別の部署の人と偶然すれ違ったときのやりとりが恋しかったりもします。
プライベートは、休日の過ごし方が大きく変わりました。
100人100日ミュージカルの頃は毎週末東京から群馬へ通っていたように、足を動かしてアクションを起こすことを大事にしていました。
ですが自粛を余儀なくされた環境下になると、今までなかなか時間がとれず先延ばしにしていた勉強や読書、スキルアップに時間をかけるようになったり、夫との時間を大切にできるようになりました。
この状況下で気づいたことは、オンラインが物理的な距離を簡単に超えることができ、それによって解決することがたくさんある、ということです。
「東京と群馬の二拠点生活」をこれからも続けていきたいと思いつつ、交通費や移動時間がネックでした。「群馬に帰るときはまた連絡するね!」というやりとりで終わってしまった友人が何人いることか…。
しかし、二拠点生活もオンラインを活用すればもっと簡単に持続できるのではないか?と思い、最近はよく群馬の友人とオンラインでのやり取りをしています。
今、地方活性化の文脈で、「関係人口」が注目されています。観光より深く、移住ほどではない形で、地域や地域の人々と多様にかかわる人々=関係人口を増やそうという取り組みです。
これもオンラインによって物理的距離を超えることができれば、かかわることへのハードルが一層低くなると思います。With コロナ の生活はしばらく続くといわれているので、今後はこのような活動を通して群馬にかかわり続けていきたいと思っています。
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【中島直紀さん】
仕事は分散勤務(既に終了)により環境が変わったことに慣れず、効率の面で少し悪影響が出た感じがします。 市民養蚕も今年は無くなってしまい、とても残念な気持ちです…。
しかし家にいる時間が増えた分、ゆっくりペット達と過ごす時間が増えたので、これはこれで幸せを感じています。(ウサギ、カメ、金魚、タランチュラも飼っています。ウサギとカメは仲良しです。笑)
そして今回、「人と会って話す」という当たり前にできていたことが、とても楽しく尊いものであったと気付かされました。
仕事でも、対面ではなく電話でやりとりすることが増え、効率は良いのかもしれませんが、表情が見えない中でやりとりすることは、やっぱり淡泊で寂しい感じがしました。会って話をするって大事ですね。
それから、コロナ関連のニュースは、自然に入ってくる情報や自分で調べた必要な情報以外は、極力見ないようにしました。
今まで考えたこともなかったですが、マイナスなニュース、発言ばかりが飛び交うテレビをBGMのように聞いているだけでも、心が病むことに初めて気がつきました。
コロナが収束したら、みなさんに会いたい。そして県外へ旅行に行きたい。それに尽きます。
ぜひ飲み会、カラオケ、たくさん誘ってください!
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【村西有希さん】
夫婦2人、畑と作業場での仕事なので他の人と接触する機会も少なく、出荷も出来る状況で、幸いにもコロナの影響は特になく、普段通りに働くことができています。
地域の行事がなくなったことで夜も家族全員で過ごす時間が増え、子どもも喜び、家事も楽になりました。ただ、千葉の実家への帰省を自粛しているため、実家シックになっています。
世間では食料やトイレットペーパーが品薄になるという状況がありましたが、私たちは野菜や豆、米、麦、麹、味噌やみりんなどを作って暮らしていることで、食料に関しての不安はありませんでした。
日々の自給率を高めておくことは大切だなぁと思いましたし、ニワトリも飼いたくなりました。
また、2年間のアフリカ生活でトイレットペーパーの代わりに手でおしりを拭いていたので、トイレットペーパーがなくても手があれば乗りきれる自信もありました。(痔の方は、トイレットペーパーより手で拭いたほうがおしりに優しいですよ。)
今回のことで改めて、物は少なく、自分の技術と感覚を磨いて、シンプルに生きていけるようになりたいと考えるようになりました。
現在は、来るべきニワトリ生活に胸を弾ませている次第です。
ニワトリ小屋を一緒につくっていただける方がいましたら、お願いいたします。
コロナが収束したら、千葉の実家に帰りたいです。
旦那さん以外の人と、お茶を飲んでゆったり話したいです(仕事でも家でも常に一緒なので)。
髪の毛も切りたいです〜
【後編】に続きます。