まゆといとでは、この1年間で38組の方々に取材をお願いし、記事に登場していただきました。
今年度は、「まゆといとに登場した皆さん、そして読者の皆さんが、実際に会って交流できる機会を作ろう!」と意気込んでいたのですが、その矢先に新型コロナウイルスの感染拡大という思いがけない事態が…。
何も気にせずにお喋りできるまでは、もう少し時間がかかるかもしれません。
でもこんな状況だからこそ、皆さんが何を想って日々を過ごしているのかを知りたい。そして読者の皆さんと共有したい!
そう思った私たち編集部は、昨年度『ヒト、コト。』に登場していただいた方々に、メッセージを送りました。
山の緑の輝きが初夏の訪れを感じさせる今日この頃、お元気でお過ごしでしょうか。
『ヒト、コト。』取材時には、楽しいお話をたくさん聞かせていただき、ありがとうございました。
今、新型コロナウイルスの影響で人との交流が限られている中で、ふと「皆さんはどんな風に過ごしているのだろう…」と思うことがあります。
ぜひ近況をお聞かせください。
2020年5月 まゆといと編集部
以下、皆さんからの返信を掲載していきます。(全3回)
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【入山寛之さん】
どもども、先日はメッセージをありがとう。
人との接触が規制されている現状、オンラインで頂くメッセージは、人とつながれている事を実感でき、本当に嬉しかったです。
多くの皆さんも同じでしょうが、新型コロナの影響で私の生活環境も大きく変わってしまいました。
昨年取材していただいた、まちやど蔟屋も現在は休業中です。
洋品店いりやまも、外出自粛の影響でお客様が激減してしまいました。
そして何より、『富岡げんき塾』や『スマとみ』など地域の活動も、すべてが停止したままです。
仕事も地域の活動も、今は先行き超不透明。本当に不安なことばかりです。
一方、今までとは変わり、時間にとてもゆとりがあります。
日課の朝さんぽも大幅に時間が増し、毎朝1時間以上歩いています。
以前より健康になりましたし、奥さんと一緒に歩く事で、家族の事やら地域の事、そしてこれからのことなど、ゆっくり会話できる貴重な時間になっています。
そして何より、富岡が素晴らしい環境にある事を実感しています。
高田川沿いの遊歩道の美しさ
城山の桜
大塩湖の緑
星田の虚空蔵さん
水道橋からの鏑川と妙義山
中高瀬・観音山遺跡の桜と菜の花
崇台山は山頂からの景色満点だけでなく 山道のきれいなこと格別
大好きな神成山も新緑が最高
うさぎ山からもみじ平のワクワク感
黒川の丘の上からは稲含山がきれい!
まだまだ おすすめスポットはきりなくあります(笑)
車を使わず歩いていける距離に(「普通その距離は歩かない」と言われそうですが 汗)これだけの自然がある富岡の素晴らしさを、改めて体験する事が出来ています。
みなさんにも是非富岡を歩いてほしいです!
歩く事で、ご飯が美味しくなるし、健康になるし、地域を知ることになるし、
地域の人と挨拶を交わすコミュニケーションのきっかけにもなるし、SNSで投稿すれば地域の魅力発信につながるかもしれない・・・
簡単に外に出られないお年寄りには、ぜひオンラインコミュニケーションツールを使えるようになってほしいです。年の差フレンズができたりして、元気になっちゃうかも。普及活動をしたいなぁ。
こんな状況だからこそ、一人ひとりができることをやっていけたらなと思います。
そうすることで、自分自身が一番楽しく幸せになれると信じて。
日常がどれだけ大切か、人とのつながりがどれだけ心の支えになるのかを痛感する毎日です。
一日も早くこの状況が好転していって、みんなと楽しくワハハと笑いながら会える日を、心待ちにしています。
その日までみなさんお元気で!
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【リアム・キャンベルさん】
(ALTのリアムさんには、子どもたちへのメッセージをいただきました。)
臨時休校が始まってから12週間経ちました。私は自宅研修が7週目に入りました。その間は数回学校へ行きましたが、ほぼ毎日、自宅で仕事をしています。
富岡市での8年間があと少しで終わります。今まで月曜から金曜日まで、学校で当たり前のように楽しい時間を過ごしていましたが、急に皆さんから離れてしまって寂しいです。
皆さんが待ちに待ったゴールデンウィークはもう過ぎてしまいましたが、外出自粛であまり楽しく過ごせなかったでしょう。
それと、中体連の春季大会が新型コロナウィルスで中止になってしまいました。今まで毎日、必死に練習してきたのに、とてもかわいそうで、言葉にうまくできないほど悲しいです。
ALTの私は、もちろん皆さんの英語の力を常に気に掛けていますが、学力だけでなく、皆さんが部活に対して熱心に取り組む姿や、大会などでの立派な姿を見るのも、この仕事の大きな楽しみです。
ずっと自宅で時間を過ごすと体調が崩れやすくなると聞いて、勤務時間が終わってから、毎日散歩したり、走ったりしています。
まだ通ったことのない道に行って、きれいに咲いている花を見つけたり、漂っている香りをかいだり、自分の近所にある新しい風景が見えるのを楽しんでいます。
運動しながら気づいたことが一つあります。英語で“Stop and smell the roses”という熟語があります。直訳すると「立ち止まって、バラの香りをかぐ」なのですが、本当の意味は「今を大切にする」です。
今まで皆さんは部活動などでずっと頑張っていたと思いますが、前例のない今の状況を無駄にしないで、ご家族と一緒に過ごせる時間を大切にしてほしいのです。
私は普段、お互いに忙しくて、母国にいる家族や友達と一年に数回しか連絡を取っていませんでした。でも、この状況をきっかけにして、前よりよく連絡を取れるようになって、もっと話ができるようになり、本当に良かったと思います。
ゴールデンウィーク明けに、全校の生徒が課題を提出に来ました。そして次の1週間分の課題をもらって帰りました。学校にいる一瞬で生徒たち全員の顔が見えて、「元気そうで何よりだ。」と思いながら、「最近走っている?ペースはどうなっている?」などの話をしました。久しぶりに皆さんに会えて、富岡市内の先生方は、私と同じように嬉しくなったと思います。
もうすぐ学校が始まります。一日一日を大切にして、ゆっくり元のペースを取り戻せるといいですね。
これからもお互いに気をつけて、この難局を乗り越えていきましょう。皆さんとまた学校で元気に挨拶すること、そして一緒に授業ができることをすごく楽しみに待っています!
オマケに、皆さんは校庭にきれいに咲いていた桜を見る機会はなかったと思いますので、一枚の写真を載せます。あと、大好きな富岡市の新緑の一枚も!
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【みんなのおうえん団・靏田あずささん】
みんなのおうえん団では、春休みに開催予定だった『昼食付き無料学習会』が中止になり、長く皆さんと会えない日々が続いています。4月から月一回ペースで開催予定だった無料学習会についても、会場の公民館が使用できないため、6月までの中止が決定しました。今後の学習会再開の目処は、まだ立っていません。
今すぐに「何かをしたい」という気持ちと、自分たちが動くことで感染が拡大し、多くの人たちに迷惑がかかるかもしれないという危惧。その気持ちのバランスを取るのが、とても難しかったと感じています。
そして、どんなに「やりたい」という気持ちがあったとしても、私たちの活動は、市や学校といった母体があって、その上に成り立つものなのだと痛感しました。自分たちだけで出来ることは限られていて、たくさんの人たちの協力と環境があって初めて動けるのだと…。
今後に関しても、無理して自分たちの力だけで動き出すのではなく、まずは学校が再開して、公民館が使えるようになって、社会の体制が整ってから動いていきたいと思います。
個人としては、このような生活になってから、1日3回犬の散歩に行っています。今までは忙しすぎて、散歩に行っても常に何か考えごとをしていましたが、「この雑草、昨日は咲いてなかったのに今日は咲いている」と、小さなことにも気づけるようになりました。
また、昔好きだったことを思い出すようにもなりました。
忙しい生活になる前は、のんびり音楽を聞きながら、小説や写真集を見るのが大好きでした。今また『赤毛のアン』や『シートン動物記』、星野道夫さんの本などを読み返して、楽しい気持ちになっています。
今は待つ時。動けるようになった時には、これを糧にして、パワーアップしたものを子どもたちに届けたいと思っています。
今後もお手伝いしていただける方がいらっしゃいましたら、本当に小さなことで構いませんので、ぜひよろしくお願いします。
最後に、児童・学生の皆さんへ。
今は辛い気持ちもあると思います。でも、後できっと「あの時あんなことがあったね」と仲間たちと話せる時が来ます。みんなで乗り越えましょう!
【中編】に続きます。