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まゆといと

2025.06.06 イベント

リアルRPGで妙義をもっと面白く!-ミョウギノツチ農園-

妙義山の麓で “遊べる農園” づくりをしている『ミョウギノツチ農園』の園長・加藤さんに初めて会ったのは、2022年の夏。加藤さんが異業種から新規就農し、農園の主軸である「とうもろこし迷路」をオープンさせたばかりの時でした。

 

その時に伺ったワクワクするお話がこちら。加藤さんのことをよく知らない方は、まずこの記事から読んでみてください。

↓ ↓ ↓

とうもろこし迷路はじめました!【ミョウギノツチ農園】加藤史也さん

 

 

あれから3年…

農園では一年を通して様々なイベントが開催されるようになり、とうもろこし迷路の内容は大きな進化を遂げました。

そして加藤さんの活躍の場は今、農園の外へと拡大しているのです!

 

 

「妙義がもっと面白くなってるよ〜ってみんなに伝えなきゃ」

そう思った私は加藤さんに再びお話を聞くため、じゃがいも畑へと向かいました。

 

 

 


 

 

 

大人もハマる!畑のエンターテインメント

 

過去のチラシより。とうもろこし迷路、野外お化け屋敷、芋掘り体験、ジャガイモ収穫体験の4つが農園の定番イベントになっている。

 

 

― 加藤さん個人の取材は3年ぶりですが、まゆといとでは2年前に、野外お化け屋敷の準備の様子を取材しました(ミョウギノツチ農園✖妙義中美術部『菊女怪異迷宮2023』)。イベント当日は大盛況で、夜の畑に行列ができていましたね。

 

加藤さん:たくさんの人が来てくれて、お化け屋敷が好きな人が多いことに驚きました。自分はあまり好きではないんですが、あれから勉強のためにいくつかのお化け屋敷に行ってみたんです。そうしたら意外と自分のところが一番怖かったという(笑)。幽霊は人形よりも、人間がやった方が怖いですね。

 

― 幽霊役も募集していましたが、どんなメンバーが集まっていますか?

 

加藤さん:妙義中の生徒や、県庁に勤めていた時の仲間が手伝ってくれています。昨年は、とうもろこし迷路でスカウトしたお客さんも手伝いに来てくれました。今年も参加してくれると嬉しいですね。

 

 

夜のとうもろこし畑でお客さんを驚かせてみたい人、引き続き募集中!

 

 

― お化け屋敷が終わると次は芋掘りイベントですね。お客さんは地元の人と外から来た人、どちらが多いのでしょうか。

 

加藤さん:どのイベントも、市外・県外から来るお客さんが多いです。先日はさつまいもの苗植え体験に、県外のご家族が高速道路で1時間近くかけて来てくれました。農業体験を探している時にうちの農園を見つけたそうです。

 

― 都会に住む人にとっては貴重な体験ですよね。農業は自然相手で難しいことも多いと思いますが、特に大変だった出来事はありますか?

 

加藤さん:さつまいも畑として使っていた土地が水がたまりやすい土壌だったため、昨年は雨で水没してしまい、芋が大きく育ちませんでした。今年は別の畑を借りてふかふかの土で作っているので、いい芋ができると思います!

 

 

芋掘りイベントでは、つるでリースやカゴを作ったり、謎解きに挑戦したり、焼き芋を味わうこともできる。

 

 

― 6月はジャガイモ収穫イベント「カラフルじゃがいもガチャ」が開催されます。こちらはどんな魅力がありますか?

 

加藤さん:普段あまり見かけない珍しい品種のジャガイモに出会えることと、何色のジャガイモが出るかは掘り上げるまでわからない!というところを楽しんでもらっています。お客さんの中には、最も当たる確率の低い「レアジャガ」が出るまで「課金」し続ける人もいますよ。

 

― 「レア」「課金」なんてゲームの世界の話のようですが、畑のガチャは課金した分だけおいしいジャガイモが食べられるので、みんなで幸せになれそうですね。

 

 

何色のジャガイモが出てくるかは掘ってみてのお楽しみ。

 

こちらは甘みが強い「インカのめざめ」。引き抜く時のワクワク感はやみつきになりそう。

 

 

 

 


 

 

 

生成AIを駆使して実現!とうもろこし迷路の新たな楽しみ方

 

― とうもろこし迷路では、昨年から新たに「リアルRPGモード」という遊び方が加わりました。これはどういったものなのでしょうか?

 

加藤さん:とうもろこし迷路という現実の世界で、モンスターを倒したりアイテムを入手したりしながら、他のプレーヤーとスコアを競うことができる新感覚のゲームです。会場で農園のLINEアカウントを友だち登録すれば参加することができます。

 

 

とうもろこし迷路のルートやゲーム内容は毎年新しくなる。

 

 

― ゲーム自体も加藤さんが作ったのですか?

 

加藤さん:作りました。LINEアプリでゲームを作れることがわかったので開発に取り掛かかったのですが、自分には技術も絵心もないので、生成AIにかなりお世話になりました。

 

― 生成AIといえば「チャットGPT」を使う人が最近私の周りでも増えてきましたが、ゲームも作れちゃうんですね!

 

加藤さん:今まではやりたいことがあっても「知識や技術がないから」と諦めていたことが、生成AIのおかげで簡単に、しかも無料でできるようになりました。キャラクターの名前のアイデア出しやポスターデザインなどでもお世話になっています。

 

― プレイしたお客さんの反応はどうでしたか?

 

加藤さん:子どもよりも大人がハマって、何回も来てくれるお客さんもいました。実は、ほとんどの人が気づかないような「裏クエスト」を用意していたんですが、だんだんとそれに気づく人が増えて、日を追うごとに参加者のスコアが上がっていくのが面白かったですね。最終日の一番最後のお客さんが最高点を叩き出すという、ドラマチックな展開になりました。

 

 

スマホがなくても楽しめる「謎解きモード」、小さい子向けの「ピクニックモード」もあるので、年齢問わず熱中できる。

 

 

― 毎年進化していくとうもろこし迷路。新しいアイデアを考えている時はやはり楽しいですか?

 

加藤さん:楽しいですね。ワクワクしてテンションが上って眠れなくなります。今年の迷路も新しい内容になるので、ぜひ遊びに来てください!

 

 

 


 

 

 

ゲームの主人公になって妙義を周遊!「妙義クエスト リアルRPG」

 

昨年、富岡市観光協会の妙義山特別委員会のメンバーに加わった加藤さん。観光協会からの委託を受け、妙義エリア全体を舞台にした新たなLINEゲームを制作しました。

 

とうもろこし迷路のリアルRPGで培った経験を活かして作られたそのゲームの名は、「妙義クエスト リアルRPG」。今年の4月から配信が始まっているので、私もプレイしてみました。

 

その様子は まゆといとInstagramの投稿 をご覧ください。

 

 

ゲームは「ワォ!妙義」のLINEアカウントを友だち追加するだけで始められる。

 

 

― 「妙義クエスト リアルRPG」を実際にプレイしてみましたが、今までになかった視点で妙義の名所を散策することができ、とても新鮮で面白かったです。謎解きやバトルといったゲーム性と、観光やクーポンといった実用性が合わさっているので、ゲームに苦手意識がある人にもぜひ試してみてほしいなと思いました。

ところで、ゲームのストーリーには妙義の豆知識が散りばめられていましたが、どのように作っていったのでしょうか?

 

加藤さん:富岡市観光協会の大塚さんらと一緒に、妙義の歴史や伝説について書かれた文献などを読みアイデアを膨らませて作っていきました。許可取りは観光協会が行ってくれています。妙義山一帯を周遊してもらえるよう、現在配信中のコンテンツでは下仁田町の中之嶽神社もゲームエリアに入っています。市外ですが大塚さんが柔軟に動いてくださったおかげで実現し、神社の方にも喜んでもらえました。

 

― お客さんに季節ごとに訪れてもらえるよう、年に何回かゲームの内容が変わるそうですね。

 

加藤さん:夏頃に新しい内容に切り替わる予定です。次は、文献の中で見つけた “ある伝説” とも絡めながら、今回とは違うエリアにスポットを当てたストーリーを制作中です。妙義って実は伝説がたくさん残っているんですよ!

 

― 楽しみです!このゲームは現地でプレイした後も、毎日クイズに参加してポイントを貯めることができたり、一日一回占いができたりと、ずっと妙義とつながっている感覚が続くのがまたいいですね。

 

加藤さん:そこは狙っていたところです。天狗の占いは送信する言葉によって天狗の口調が変わってくるので、いろいろ試してみてください。

 

 

ゲームに導かれて訪れた場所。今まで知らなかった…

 

 

 


 

 

 

面白いことを考える「仲間」を大募集!

 

― 農園のSNSに投稿している画像や動画は、加藤さんが一人で作っているのでしょうか。

 

加藤さん:一人で作っています。最近は、とうもろこし迷路のマスコットキャラクター「粟野めい」を3D化して動かすことに挑戦しています。2D画像を3D化するAIも無料で使えるんですよ。凄い時代ですよね。

 

― AIの進歩で、一人でできることが格段に増えましたね。

 

加藤さん:でも仲間は欲しいですね。ゲームのストーリーのヒントになるような地元の人の意見とか、ソーシャルゲームに詳しい人の意見とか、より良い遊びを作っていくための頭脳が欲しいです。

今も、手伝ってくれる中学生はいます。去年はお化け屋敷に4人も協力してくれましたし、そのうちの一人は、迷路の種まきなどの裏方としても参加してくれるんですよ。その子はイラストも得意なので、今度リアルRPGのキャラクターを描いてもらおうかなと考えています。

 

― 自分が関わったことが誰かの心に楽しい思い出として残ってくれたら、とっても嬉しいでしょうね。加藤さんと一緒に妙義で面白いことをやってみたい人は、ミョウギノツチ農園までご連絡をお願いします!(農園メールアドレス:soilofmyogi@gmai.com)

 

 

 

 

「カラフルじゃがいもガチャ 2025」は6月7日(土)〜15日(日)開催!

農園では他にも様々な野菜の収穫体験などを行っています。詳細はホームページやSNSをご確認ください。

 

【ミョウギノツチ農園】

ホームページ

Instagram

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【妙義クエスト リアルRPG】

しるくるとみおか

 

 

 


 

 

現在、リアルRPGの制作を県外の団体からも受注しているという加藤さんは、こんなことも話していました。

「技術を輸出して外貨を稼いで、とうもろこし迷路に充てていきたい。」

「じゃがいもガチャは儲けはないです。元々とうもろこし迷路の告知のために始めたので。」

 

これらの言葉からもわかるように、加藤さんの一番の趣味は「とうもろこし迷路」。そこは3年前から全くブレていません。

いろんなことに興味を持って、いろんなことを始めているように見えても、全ては「とうもろこし迷路を面白くするため」なのです。

 

やりたいことを実現するために新しい技術をどんどん吸収し、使えるものは使っていく。そんな加藤さんの姿に、たくさんの刺激をもらいました。

 

(ナカヤマ)

 

 


 

 

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