富岡市の暮らしと移住のWEBマガジン
まゆといと

2023.12.22 子育て・10代・学生

【移動式遊び場】金田 健太郎さん

群馬県立世界遺産センター(セカイト)前の広場に、ダンボールで作られたお家や迷路、ピタゴラ装置などが置かれ、子どもたちが遊んでいるのを目にしたことはありませんか?

 

我が家の娘もその遊び場が大好きで、よく遊ばせてもらっているのですが

「この遊び場、どんな人がやってくれているんだろう?」

「どうしてこんな楽しいことをしてくれているのかしら?」

と気になっていました。

 

そこで、この『移動式遊び場』を手がける金田健太郎さん、そして奥さまの奈々さんに、お話を伺いました!

 

 

 

【金田 健太郎(かねた けんたろう)さん プロフィール】

1977年 富岡市生まれ。大学卒業後はオーストラリアやアジア各国、沖縄などを渡り歩きながら、様々な職種を経験。2009年に㈲金田芳明商店を継ぎ、妻の奈々さんと家業を営む傍ら養蚕・染織も行う。2022年12月より『移動式遊び場』を始める。

 

 

 


 

 

 

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「遊び場」って、なぁに?

 

 

― 健太郎さんは、どうして「遊び場」を始めたのですか?

 

健太郎さん:最初は、藤岡で『移動式遊び場』のことを知りました。遊び道具をワゴン車などで運び、公園や広場に一時的な遊びの環境を作る活動で、日本各地に広まってきている取り組みです。

その後すぐにコロナ禍になり、現在4歳の娘とどこかへ遊びに出かけたくても、気軽に行けなくなってしまいました。当時、妻(奈々さん)がオルタナティブスクールを作るために動いていたことも重なり、「学校を作るのは大変そうだけど、遊び場を作るなら自分でもできるかも」と思ったんです。

娘が大きくなってからも遊べる場所を求めて市外へ出かけているのでは、近所の子と遊べないし、「この街は変わらない」とも思いました。そこで、ちょっとやってみようという感じで動き出したのが、2022年の12月です。

 

 

セカイト前の芝生が遊びの空間に。

 

 

― ちょうど一年前にスタートしたのですね。

 

健太郎さん:そうです。その日はかなりの強風だったのを覚えています。その後はおかって市場さんでやっている『つきいちマルシェ』に合わせて、遊び場を開催するようになりました。

『つきいちマルシェ』のようなイベントは、大人がじっくりと買い物を楽しみたくても、子どもが飽きてしまうんですよね…。仕方なく急いで買って帰って、家で食べる、みたいな…(笑)。

 

― わかります!(笑)大人はゆっくり見たいんですけどね。

 

健太郎さん:そんな大人の事情もあり、セカイト前のスペースが空いていたので「ここならいけるんじゃない?」という感じで始めて、今まで続いています。

 

― 全国にネットワークがある「遊び場」ですが、健太郎さんの作る遊び場の特徴はありますか?

 

健太郎さん:うちは仕事で古紙回収をしているので、それを活かした遊び場になっています。例えば、他の人が雨どいを使うところを紙管に置き換えたり、ダンボールで迷路を作ったり。ダンボールは本当は大切な資源だけれど、自分が許可すれば「壊してもOK」にしています。

あとは、ピタゴラ装置も好きです。でもあまり作り込み過ぎずに、子どもに「作り替えてみてね」と投げかけています。

 

 

富岡製糸場のイベント会場にて。大人もワクワクします!

 

作業場には遊び場に使う材料がどっさり!

 

 

ーこれまで遊び場をやっていて、何か印象的だったことはありますか?

 

健太郎さん:先日、突発的に遊び場を開いた日のことです。そこにいた初対面の小学生たちが一瞬で打ち解けて、1時間近くも一緒に遊んでいたんですよ。自分たちでルールを決めたりしながら。

その様子を見て、やっぱりこういう関わり合いっていいな、と思いましたね。遊びが子どもの成長につながっている感じが、自分が目指しているところなのかなと。

 

― なるほど!

 

奈々さん:この辺だと、知らない子と遊ぶって、まずないですよね。もみじ平総合公園のような広い公園に行くといろんな年代の子がいますけど、家族単位で遊んでますもんね。

 

健太郎さん:ボールにしても「それは◯◯ちゃんのボールだからダメだよ」ってなりますよね。でも遊び場だったら、「これは遊び場のボール」になるから誰でも使える。そういう意味では、遊び場はみんなが入りやすい場なのかなと思います。

 

奈々さん:遊び場だと、自然と子どもたちが一緒になって遊ぶんですよ。おままごとで赤ちゃんが一緒に遊んでいたり、ピタゴラ装置を大きい子が小さい子に教えてあげたりとか。公園でも一緒に遊んだっていいのに、誰か別の子が遊んでたら「終わってからにしよう」となってしまう。でも遊び場だとそれが不思議とないんですよね。

 

健太郎さん:あとは、例えばベーゴマがあると、孫に一生懸命教えてあげるおじいちゃんがいたりして、多世代で楽しめるのも遊び場の良いところかなと思います。

 

 

子どもたちのこの笑顔が、遊び場の魅力!

 

 

 


 

 

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富岡の街中で、妖怪かくれんぼ…?

 

 

― 遊び場が始まってから、様々な企画が生まれていますよね。これまでに3回開催された『妖怪かくれんぼ』は、会場内のあちこちに隠れている妖怪を見つけるとスタンプがもらえるという、遊び心のあるイベントでした。

 

健太郎さん:妖怪かくれんぼ』は、これまでに商店街編、妙義フェス編などを行いました。この企画は、観光客も地元の人も楽しめるのが良いなぁと思います。特に富岡製糸場周辺の路地裏は、自分たちには当たり前だけど、都会から来た人にとっては風情があって、すごく魅力的なんだそうです。

 

― そう思います!私も都内から引っ越してきたので、異世界に迷い込んだような、不思議な雰囲気が面白いなと思っています。

 

健太郎さん:地元の子どもたちも、今は商店街ってなかなか行かないですもんね。昔とは違って「このお店には誰がいる」とか知らないじゃないですか。でも、知らないお店に入って、おじさんにスタンプを貰ってみるのも面白いよ!と。「あそび ✕ 観光 ✕ 地域活性化」という感じです。

今年度は3月にまた『妖怪かくれんぼ』のイベントを予定しています!

 

 

妖怪かくれんぼ商店街編では、お店の人たちも全面協力!

 

 

― 12月にはしるくるひろばで『オーガニックキャラバン』というマルシェイベントも開催され、たくさんの親子連れで賑わっていましたね。

 

健太郎さん:私は農学部出身で、幼い頃から農薬のことや環境問題に関心がある子どもでした。「食」や「オーガニック」も、興味のある分野なんです。

 

奈々さん:このオーガニックキャラバンは、地域活性化!とか大層なことを目指している訳でも、私たちの力で環境問題を何とかしようとしている訳でもありません。ただ、「子ども(遊び)」と「食」を大切にしていけば、自ずといい街になるんじゃないかと思って。富岡がいい街になれば自分も嬉しいし、食も遊びも大事だよね、というのを共有したいなと。

だから出店者さんも「100%オーガニックじゃなきゃダメ!」ではなくて、そういった取り組みを少しでもしていればOKみたいな、ゆるい感じでやりました。

 

健太郎さん:「食」とか「オーガニック」とか、ちょっと舐めてみようよ、みたいな感じです。僕が着ているのもオーガニックコットン100%ではなく、某作業服メーカーですから(笑)。

 

奈々さん:それと今回、子どもが自分でお店を出す「子どもマルシェ」のコーナーも作ったんですが、子どもたちから「大変だったけど楽しかった!」という声があったんです。そういった経験ができる機会も、また作っていけたらと思っています。

 

 

金田健太郎さん、奈々さん 

 

 

ーところで、富岡市出身の健太郎さんにとって、富岡の良さってなんだと思いますか?

 

健太郎さん:一言でいうと「人が良い」ことだと思います。昔から「こんなことをやりたい!」というと、応援してくれたり、背中を押してくれたりする人ばかりです。それは近所の人もそうですが、用事があって市役所に行っても、そう感じます。新たなことにチャレンジする時、温かく応援してくれる優しい人が本当に多いです。

 

― 最後に、「まゆといと」を読んでくださっている方に一言お願いします!

 

健太郎さん:遊び場を開くときには、Instagramに情報をアップします!ぜひ遊びに来てください!

 

⇒ 移動式遊び場 Instagram

 

 

 


 

 

 

 

私も大好きな「遊び場」への思いなど、素敵なお話しをたくさん聞けて、また娘たちを連れて遊びに行くのが楽しみになりました!

これまでも、たくさんの「わくわく」を作ってきた金田さん。今後も益々、富岡を盛り上げてくれること間違いなしです♫

 

(ソウマ)

 

 


 

 

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