今回ご紹介する深澤美佐子さんは、富岡市で《リトミック》と《発達支援》を融合した教室の講師をされていて、子どもたちの個性や特性に合わせたレッスンを行っています。
そして、こちらの記事👇でご紹介した深澤優さんの奥さまでもあります。
ご夫婦そろって穏やかで、なんとも楽しい雰囲気のお二人。
美佐子さんの朗らかさに魅了された私は、その人柄に迫るとともに、講師を務める【きらりリトミック教室】についてお話をお聞きしました。
・・・その前に、《リトミック》をご存じですか?
リトミックとは、音楽を用いて子どもの能力を伸ばす教育法です。幼児期にリトミックを体験することで、リズム感や運動能力が高められ、表現力を身につけられると言われています。最近ではこども園等の保育施設でも、リトミックの時間を取り入れるところが増えています。
美佐子さんのリトミック教室では、ピアノの演奏に合わせて自由に体を動かし、心身の声を感じながら自己を表現します。この教室では、「自己肯定感を育み、自己を発散できる」という環境を作っているのです。
「すべてが正解で、みんな素晴らしい!」というポジティブな雰囲気なので、親も子もリラックスして参加することができるそうです。
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たのしい工夫がいっぱいの教室
美佐子さんの教室を見学させていただきました!
扉を開けると、カラフルで楽しそうな世界が広がっています。
これらを見ていると「ここは遊び場なのかな?」なんて思ってしまいますが、じつは全ての道具に意味があるのです。
たとえば・・・
子どもがすっぽりと隠れることができる、白い卵のようなもの。これはフードを下ろすと個室になる回転椅子で、子どもの『落ち着く空間』になります。
トランポリンの上に置かれた黄色いバランスボール(バルンポリン)は、体幹トレーニングにぴったり。試しにこの上に座ってみると、予測のつかない不安定さがあり、バランスを取るのが難しかったです。 (でも楽しい!)
小さなトカゲさんのおもちゃは、不安定ですぐに転がってしまいます。きちんと座らせるには、指先の細かい動きと集中力が必要でした。
ほかにもアイディアあふれる小道具がずらりと並んでいて、教室にいるだけでワクワクしてしまう、そんな素敵な空間でした。
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安心できる居場所になりたい
ー どのようなきっかけで、『リトミック ✕ 発達支援』の教室を始められたのですか?
美佐子さん:私はもともと、市内で12年くらい保育士の仕事をしていました。その後自宅でリトミック教室を始めたんですが、生徒さんのなかにはいろいろな特性を持った子どもたちがいて、日々の暮らしがつらそうな子や困っていそうな子がいました。そこで、何か私にできることはないかな?お役に立てることはないかな?という思いが湧き、4年ほど前から発達支援について「宇佐川研」(発達障害臨床研究会)というところで勉強を始めたんです。
今ではリトミック教室だけではなく、発達支援が必要な子には私が学んだことを活かしながら、その子に合ったプログラムを作り、対応しています。
ー 「宇佐川研」とはどんな団体でしょうか?
美佐子さん:「宇佐川研」とは、正式には「発達障害臨床研究会」といい、発達につまずきのある子どもたちへどのような支援ができるかを考える研究会です。「宇佐川研」の名前の由来となっている淑徳大学の故・宇佐川浩教授の理論を土台として、毎月ケーススタディという手法を用いながら、「子どもたちの事例から学ぶ」ことを実践しています。
私は「群馬宇佐川研」準備チームのリーダーをしているのですが、ここでは教員、保育士、保健師、心理士、作業療法士、歯科医師、言語聴覚士、保護者などが同じ立場で楽しく学ぶ場を設けています。専門職の方々と保護者が腹を割っていろいろなことを話せる場はなかなかないので、とても有意義な時間を持てています。
⇒ 発達障害のある子への支援アプローチを学ぶ研究会「宇佐川研」
ー この教室で美佐子さんが大切にしていることはどんなことでしょうか?
美佐子さん:私は、おちゃらけて子どもたちに笑ってもらうことが大好きなんです(笑)。笑いがあれば気持ちも軽くなって、子どもたちがリラックスしてくれると思います。いつも「がんばらなきゃいけない!」って気持ちでいるのは疲れてしまうから、この教室にいるときは素の自分を出してリラックスしてほしい。ありのままの自分でいられる場所、認めてもらえる場所、子どもたちにとって居心地の良い場所、そんな教室でありたいと思っています。
それから、私は忘れん坊なので、そんな欠点があることも子どもたちにはさらけ出しています。「世の中には完璧な人なんていない、それぞれの得意なことを活かして楽しく生きていこう!人生どうにかなるさ〜!」そんな精神で子どもたちに接しているんです。
また、つらいと感じているお子さんだけでなく、そのお父さんお母さんも不安な思いをしていると思います。私はお子さんのご家族にも寄り添い、サポートできたらと考えています。
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今よりもラクに生きていけるように
ー このお仕事をやっていて良かった、と思えることはありますか?
美佐子さん:子どもたちと関わるなかで、今までできなかったことが「できた」になる瞬間に立ち会えることが嬉しいですね。何かの壁を乗り越えた先に見る子どもたちの笑顔は、最高に輝いています。 また、ここに通っているお子さんのお母さんたちと「今日はこれができるようになったね!」と喜びを分かち合えるのも幸せですね。私はこの仕事が大好きなんだなと改めて実感します。
ー これからの抱負などあればお聞かせください。
美佐子さん:リトミックは自由で、こんなに楽しい世界はない!と思っています。これからもこの教室を続けていきたいですし、子どもたちがありのままでいられる居場所になれたら、と常に思っています。
また、つらいと感じている子どもたちが少しでもラクに生きていけるようにお手伝いをしていきたいです。私ひとりの力ではなかなか難しいのですが、発達支援に興味を持って、これから「この世界で仕事をしたい」という方が増えてくれたら嬉しいですね。
【きらりリトミック教室】
⇒ インスタグラム(@kirari_ritomikku_kyoushitu)
問合せ:kirari.ritomikku2023@gmail.com
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最後に待っていたのは…ビッグサプライズ!
美佐子さんへの取材を終えたところに、隣のご自宅から夫の優さんがいらっしゃいました。
「こんにちは〜」とあいさつを交わした瞬間に、私の視線はあるものにクギヅケに!!
夫の優さんと「フトアゴヒゲトカゲ」さん
優さんの肩に、立派なトカゲさんが乗っているではありませんか!
「わが家はみんな爬虫類が大好きなんですよ〜。」と笑みを浮かべる優さん。なんと、ご自宅では40匹の爬虫類を飼育しているんだそう。
こんなに近くでこの大きさのトカゲさんを見た(そして触った!)のは初めての体験。。 なでなでさせてもらった感触は、「サラッとしていてイヤな感じがまったくない」といったところでしょうか。
…じつは、取材中にもカサカサと何かが動く気配を感じていたんです。
その正体は、室内で放し飼いされているトカゲの「げんちゃん」。(写真の肩乗りトカゲさんとは別の子です。)
生徒さんにも「げんちゃん」のファンが多いそうで、かわいらしい絵も飾られていました。
深澤さんちの爬虫類に興味がある、放し飼いのげんちゃんを見てみたい!という方は、優さん・美佐子さんにお声がけください!!
メガネ屋さん・リトミック教室・爬虫類愛好家…と、さまざまな引き出しを持つ深澤ファミリーにすっかり魅了された私。
「好き」を仕事にしながら朗らかに語る美佐子さんや優さんを見ていると、笑顔は家庭を幸せにするんだな〜としみじみと感じました。
とみおかには、まだまだたくさんの素敵な人がいらっしゃいますね ♪
(マツオ)