みなさんは知っていますか?富岡市内のとある場所に、「住所は非公開」という、なんとも攻めたコンセプトの駄菓子屋があることを。
知る人ぞ知るその店の名は『駄菓子屋あろ~は』。今年で5周年を迎えました。
「最近はどんな活動をしているのかな?」とSNSをのぞいてみると、驚きの発見が。
なんと『駄菓子屋あろ~は』は、富岡を飛び出し、愛知県や神奈川県、長野県へイベント出店しているのです。そのフットワークの軽さに、思わず感心してしまいました。
以前の取材(こちら)から4年。その後の『駄菓子屋あろ~は』は、どんな活動を続けてきたのでしょうか?
気になったマツオが、5周年を迎えた『駄菓子屋あろ~は』のこれまでの歩みと、これから叶えたい夢について、店主の茂木宏忠さんにお話を伺いました。
店主の茂木さん。この日は駄菓子屋あろ~は5周年記念イベントとして「じぇら21」にて出店!
不安な日々に明るい笑顔を届けたい
― お店を始めて5年が経ちますが、そもそも、どのような思いで駄菓子屋を始めたのでしょうか。
茂木さん:この店をオープンしたのが、ちょうどコロナ禍の真っ只中でした。当時は世の中がいろいろと自粛しなくてはいけなくて、子どもたちにとっても遊びに行く場所がどこにもないような時期だったんです。なので、少しでも日常が明るくなるような、楽しい場所を作りたいっていう一心で駄菓子屋を始めました。
もともと「おじいちゃんになったら駄菓子屋になりたい」という夢があったので、コロナがきっかけで夢を前倒ししてスタートさせたという形ですね。
「じぇら21」での出店の様子
― 当時はみんなの秘密基地のような場所になっていましたが、いまは遠方へのイベント出店も精力的にされているようですね。
茂木さん:最近は本業のほうが忙しくなってしまって、実店舗での駄菓子屋の営業はほぼお休みしている状態なんです。でも、それをマイナスに捉えるのではなくて、「自分たちのペースで、できる範囲でお店を開くスタイルでやっていこう」という気持ちになりました。
いまは無理のない範囲で、イベントへの出店をメインに活動しています。
― この5年をふり返ってみて、感じることはありますか?
茂木さん:5年も経つと、オープンした当初は小学生だった子が、ずいぶん大きくなって、もう高校生になっているんです。
「あんなに小さかった子が、こんなに立派になって!」と、親戚のおじさんみたいな気持ちになりますし、子どもたちの成長をこうして見せてもらえるのは、本当に感慨深いですね。
うちのお店で過ごした時間が、彼らの思い出として残ってくれたらいいな、とも思います。

奥さまは『駄菓子屋あろ~は』の頼もしい“助っ人”としてSNSを担当しています!
人とのつながりで広がる「駄菓子屋」の輪
ー 最近では、地域づくりセンターのイベントや、地元の小学校の授業の一環として駄菓子屋を出店されていると聞きました。どういったきっかけで声がかかるようになったのですか?
茂木さん:小学校の先生が、うちのお店のお客さんとして来てくれたことがあったんです。その先生と「授業の中で、お買い物を通して計算することを学べたらおもしろいよね」という話になって、それがきっかけで実現しました。
― 算数の授業に駄菓子屋さんがやってくるなんて、子どもたちは大喜びですね! 実際の授業での様子はいかがですか?
茂木さん:最近は、「自分一人の力で買い物をする方法がわからない」っていう子も少なくないんです。だから、「これとこれを足したら何円になるかな?」と、いっしょに計算したりします。ただ計算式を解くだけじゃなくて、お店の人に「これはいくらですか?」「ありがとうございます」と言葉を交わすコミュニケーションも含めて、楽しく学んでもらえているなと感じます。
― まさに生きた勉強ですね。地域づくりセンターでのイベントも、同じようなきっかけですか?
茂木さん:そうですね。市内の地域づくりセンターのイベントも、知り合いの知り合いから「こういう催しがあるから、あろ~はさん出店してみない?」と声をかけられて始まることが多いです。
こちらから積極的に売り込んだわけではなくて、本当にありがたいことに、口コミでこの駄菓子屋の存在や活動がどんどん地域や県外に広まっているな、と実感しています。
内匠地区の子ども会の歓送迎会にて
駄菓子屋が育んだ温かい絆
― お店を続けてきて、「良かったこと」があればぜひお聞かせください。
茂木さん:「良いこと」しかないですね。本当にそれに尽きます。人とのつながりや地域との関わりなど、もし自分が駄菓子屋をやっていなかったら、人生の中で出会えなかったであろうたくさんの人たちと知り合い、交流を持つことができました。これは素晴らしい財産だと感じます。
また、うちの店を通して、駄菓子がきっかけになって、知らない人同士が仲良くなって、どんどん友だちの輪が広がっていくのも嬉しいですね。
イベントに来てくれるお客さんとたっぷり楽しむご夫婦の笑顔もステキです♪
― お店の外へ飛び出し、イベント出店をしたことで、さらに世界が広がったのではないですか?
茂木さん:そうなんですよ。駄菓子屋を始めたことで、富岡市内だけじゃなく、県内外のさまざまな地域のお祭りや、防災をコンセプトにしたイベントにも呼んでもらえるようになりました。この5年間で、自分の行動範囲がずいぶん広がりましたね。このカタチでやっているからこそ、より多くの場所へ笑顔を届けに行けるようになりました。
イベントでは子どもだけじゃなくて、80代のおばあちゃんがふらりと買い物に来てくれたりもします。子どもも大人も関係なく、皆さん目の前に駄菓子が並んだ瞬間に目をキラキラさせて、「どれにしようかな」って選んでいるんですよね。
大人の方が一瞬で子どもの顔に戻る。そんな素敵な姿をあちこちで見せてもらうたびに、「ああ、本当にお店をやってよかったな」って心から感じます。
三井アウトレットパーク横浜ベイサイドでの出店の様子
長野県で開催された車のイベントにて
― 茂木さんが、これから新しく挑戦してみたいことはありますか?
茂木さん:夢は大きく、「駄菓子屋のテーマパーク」を作りたいですね!
駄菓子って、年齢や性別なんて一切関係なく、子どもから親、おじいちゃん、おばあちゃんまで、みんなが共通して大好きなものじゃないですか。そんな最強のツールである駄菓子を中心に、みんなが一日中笑顔で、時間を忘れて楽しめるようなおもしろい空間を、いつか作れたらいいなって妄想しています(笑)。
実店舗という枠にとらわれず、これからもたくさんの人を笑顔にできる仕掛けを考えていきたいです。
◆『駄菓子屋 あろ~は』イベント出店情報は Instagram でチェックしてみてください!
オープン当初の情熱はそのままに、この5年間でより深く地域に根を張り、小学校やさまざまなイベントへと笑顔の輪を広げ続けてきた『駄菓子屋 あろ~は』。
現在はイベント出店を中心に、「移動式の秘密基地」のような存在として、各地で人々を楽しませています。
出店の形は変わっても、茂木さんの周りには子どもも大人も自然と集まり、楽しそうにおしゃべりをする光景は変わりません。
これから先、茂木さんが思い描く「駄菓子屋のテーマパーク」という夢がどんな形になっていくのか、とても楽しみです。

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