富岡市の暮らしと移住のWEBマガジン
まゆといと

2025.03.28 地域で働く

「人と犬の暮らしが幸せになるように」吉田 久美子さん

皆さんはペットを飼っていますか? 今、犬や猫、ウサギ、ハムスターなど、動物と一緒に生活している人は多いのではと思います。

 

大好きなペットとはいつも一緒にいたい。けれど、どうしても預けなければいけない時や、生活の中でしつけに悩んだ時に助けてくれる人がいたら、安心できますよね。

 

今回は、そんな時に頼れるドッグトレーナーさんをご紹介します。

 

 

吉田 久美子さん (ドッグスクエア・株式会社イリオ代表/JKC公認訓練士)

 

 

ブリーディングやペットホテル、しつけ方教室など、犬に関するサービスを行っている株式会社イリオ代表の吉田さんは、訓練士の資格を持つ犬の訓練のスペシャリスト。

そんな吉田さんに、どのように犬たちと過ごしているのかを伺いました。

 

 

 


 

 

 

愛犬の悩みから訓練士の道へ

 

 

― 毎日犬たちとふれ合うお仕事ですが、お子さんの頃から犬と生活されていたのですか?

 

吉田さん:子どもの頃からとにかく動物が好きでした。実家ではハムスター、モルモット、フェレット、ウサギ、お祭りのひよこ、インコなど、とにかく動物と一緒にいることが多かったですね。あと隠れて野良猫を家に連れてきて、親にバレたりして…。

 

― 動物とふれ合う事が本当にお好きなんですね。

 

 

こんな可愛い犬たちに囲まれたい♪

 

 

― 吉田さんは訓練士の資格を持っていらっしゃいますが、いつ頃から訓練士になりたいと思ったのでしょうか?

 

吉田さん:初めは訓練士になりたかったわけではなくて、高校の3年間、馬術部がある高校へ通っていました。私は乗馬のインストラクターになりたかったんです。高校時代には乗馬で群馬代表にもなりましたし、そういった資格もたくさん取りました。

 

― 馬術部がある高校があったなんて知らなかったです。高校生の頃から動物に関わる職業を目指していたんですね。

 

吉田さん:乗馬のインストラクターを目指していたんですが、その頃飼っていた犬がちょっと問題児で。ある時ペットフードを買いにホームセンターへ行ったら、たまたましつけ方教室のチラシがあったので、そこに通うようになったんです。榛東村の犬の訓練所で、警察犬などの訓練もする所で、大型犬が多い施設でした。ちょっと遠かったんですが、「ここがいい」って惹かれるものがあって。

 

― 偶然とは言え、愛犬が引き寄せためぐり合わせだったのかもしれませんね。

 

吉田さん:しつけ方教室に通ううちに、愛犬と競技会に出るようになり、遠くの競技会まで行くこともありました。だんだんと良い成績を取れるようになってきて楽しかったんです。熱心に通っていたら教室のトレーナーさんに「そんなに楽しいなら訓練士の資格を取ったら?」と勧められました。所長先生の応援と後押しがなければ取れない高いレベルの試験資格でしたので、私も全力で頑張り努力して、資格を取得しました。

 

― その後ペットホテルを始められたんですか?

 

吉田さん:馬を飼うのは難しいですし、犬が好きなこともあって、資格を活かして自宅でペットホテルをメインにしたペット関連の仕事を始めました。子犬販売もしていましたが、初めのうちは知り合いを通じて…くらいの感じでやっていて。だんだんと口コミで広まっていき自宅では手狭になってしまってたので、始めてから1年半後くらいに自宅の隣に店舗を構え、拡大していきました。そこから18年くらい経ちますね。

 

 

イリオとはハワイ語で「犬」と言う意味。しつけ方教室の犬など、一頭ずつここで訓練されています。

 

 

吉田さん:店舗にはドッグランなどの設備を整え、衛生面にも気を使っています。今はブリーディングがメインで多くの所有犬を抱えながら、しつけ方教室に来る犬の訓練や、ホテルを利用する犬たちのお世話などをしています。

 

― 最近はペットと一緒に生活する家庭が多いですよね。

 

吉田さん:ありがたいことに犬のしつけ訓練の依頼が増えて、今は本当に忙しくしています。最近の子犬販売では、「お座り」「待て」「呼び戻し」など最低限のしつけ訓練をしてから自宅に迎えたいと言うお客様が増えていますね。何か問題が出てからではなく、家庭で一緒に生活しやすいように訓練をしてからお渡しできると、人間も犬も幸せに生活できると思います。

お客様がこの子(犬)と決めてから、長期の訓練でお預かりしている間も毎月会いに来てくれるので、「楽しみに待っているお客様がいる」とこちらもやりがいを感じます。プロである意識を持ってしつけ訓練をし、散歩が上手にできて、新しい環境でも対応できるようにして巣立っていけるようにしています。

 

― 犬との生活は、「かわいい」だけではできませんよね。

 

 

 


 

 

 

大好きだからこそ、犬の幸せを第一に考えて

 

 

昨年できた2号店には、犬ファーストに作られた犬舎が並んでいます。

 

 

― ストレスなく過ごせるように作られた部屋や、大型犬が走り回れるスペースもあって犬たちは楽しそうです。これだけの設備を整えるのは大変ですよね。

 

吉田さん:今は動物愛護に関する法律が厳しくなっています。所有犬が増えてきたので、スペースの問題もあって2号店を構えました。経費は掛かりますが、ブリーダーとして見本となれるよう気をつけています。

 

― 素晴らしいです。ペットを迎える家庭が多いと、やはり課題も多いですよね。

 

吉田さん:無理な繁殖や劣悪な環境での飼育など悪質なブリーダーの問題が最近多くなっていますが、私は母犬の出産回数や出産年齢が上限に達する前に母犬が家庭犬になれるよう、しつけ訓練の計画をしていきたいと思っています。これまで頑張ってくれた母犬が一般家庭で幸せな犬生を送れるよう、譲渡したいと考えているんです。

 

― 犬好きの私としては、多頭飼育崩壊やブリーダーの高齢化などのニュースを目にすることが多く、本当に悩ましく思っています。動物の命も人の命と同じですよね。犬の一生を責任を持って考えてくれる吉田さんのようなブリーダーさんがいることに安心します。

 

 

お互いの“好き”があふれています(笑)

 

 

― イリオさんでもブリーディング卒業犬の譲渡をされているということですが、長く一緒にいた犬たちと離れるのは少し寂しいですね。

 

吉田さん:そうなんです、譲渡の時が本当に辛くて…。少し前にも、長年連れ添った犬を新しいお家に譲渡しました。その子(犬)とは競技会に一緒に出たり、旅行やプライベートも一緒に過ごしていたんですが、私が忙しくなってあまり面倒を見てあげられなくなってしまって。一緒にいたくても、他の犬たちの面倒やお客様から預かる犬たちの事も考えなければならなくて、寂しい思いをさせてしまっていたんです。このままでは可哀想で、一緒にいてくれる家族がいた方が幸せなんじゃないかと悩み…ずっと一緒にいた子(犬)だから本当に幸せになってもらいたいと思って、信頼できる方の家へ譲渡しました。離れるのは寂しいけれど、犬の幸せを願って大事にしてくれる新しい家族に繋ぐことも、大切な仕事です。

 

 

 

吉田さんはブリーディング卒業犬を譲渡する際にも、基本的なしつけをして新しい家へお渡しするそうです。新しい環境でも問題なく過ごせるようにすることが、最後のお仕事なんですね。

 

 

 


 

 

 

巣立った後も続く縁

 

 

オフ会の様子。近くに集まってもみんな落ち着いていられるのが素晴らしいです。

 

 

― イリオさんから育っていった犬たちが年に一度集まる「オフ会」も賑やかそうですね。

 

吉田さん:我が子たち(犬たち)に久しぶりに会えるのも楽しみだし、成長した姿を見られるのも嬉しいです。犬たちが集まるので初めはちょっと心配だったんですが、みんないい子で吠え合うこともないし、事故もなく平和に遊んでくれて、もう本当に感動しちゃいました。親子や兄弟の再会だったり、犬たちだけでなく家族の方たちも本当に喜んでくれて…。巣立ったから終わりではなく、縁が続く限り続けていきたいですね。

 

 

本当に楽しそう!

 

 

 

吉田さんは本当に犬と会話しているようで、犬たちの表情からも「吉田さんが大好き〜」という感情が伝わってきます。犬と吉田さんのお互いの絆がしっかりできていて、本当に信頼し合っているんだなと、取材を通して感じました。

 

 

【㈱イリオ】

ホームページ

Instagram

Facebook

 

 

 

 

 


 

 

 

私は犬が大好きです。我が家でも保護犬だった子を迎え、5年が経ちました。言葉は通じませんが、私の気持ちはきっと伝わっているはず…と思い毎日生活しています。

動物たちは話せなくても、不思議と私たちの気持ちを感じて寄り添ってくれる。犬好きの私は、それが彼らの何よりの魅力だと思っています。

 

疲れている時や気持ちが落ち込んだ時に、犬と一緒にちょっと遠くの公園まで散歩に出かけると、「また頑張ろう」とリフレッシュできます♪

皆さんの好きなお散歩コースはどこですか?是非カネコに教えてください!!

 

(カネコ)

 

 

 


 

 

好きをシゴトに…夢を叶えるための移住 村上 桃子さん

 

わんちゃんと♪ お出かけしようよ!ふらっとTOMIOKA ~ペットツーリズム編~