ある日の午後、私マツオが犬の散歩をしていたときのこと。
「こんにちは。かわいいワンちゃんですね!」
と笑顔で話しかけてくれた方が、今回の主人公の村上さんです。
村上さんも、愛嬌たっぷりのワンちゃんを連れてお散歩中でした。
犬を飼っている方なら想像がつくと思いますが、初対面の私たちは、ここから愛犬トークに花を咲かせます。
するとその会話のなかで、村上さんは「ある夢」を持って埼玉県所沢市から富岡市にやってきたことがわかったのです。
移住の経緯を知りたくなった私は、村上さんに後日改めてお話を聞きました。
移住の決め手は「街の雰囲気」
― 村上さんはなぜ富岡市へ移住されたのでしょうか。
村上さん:もともと犬が大好きで、ペットのしつけや行動学が学べる都内のペットスクールに通っていたのですが、このスクールの講師の紹介で軽井沢エリアのペットリゾート施設に就職が決まったんです。引っ越すにあたり、職場の近くの軽井沢だと生活コストがかかりそう…といったイメージもあって、軽井沢以外の通勤圏内でいろいろな地域を見て回ったところ、富岡市の物件を見つけました。
富岡市での暮らしを想像しながら街なかを覗いてみると、市役所近くのおかって市場が私の好みで、季節ごとに動楽市やクリスマスマルシェなどのイベントもあることを知って…。市内での買い物も便利で、飲食店も充実している富岡市の雰囲気が好きになり、「ここで暮らしたい!」と強く感じたんです。
お気に入りのおかって市場でお買い物を楽しむ村上さん
― そうでしたか、富岡市を気に入ってくれて私も嬉しいです!こちらへ移住する前もペット関連のお仕事をされていたのですか?
村上さん:仕事は家業を手伝っていました。実家は所沢市内で精密機械を作る工場を経営していて、その工場で働いていたんです。実家では今までに4頭の犬を飼っていたのですが、犬のしつけに苦労したことがあったので、「犬の気持ちを知りたい!」という思いで都内のペットスクールに通っていました。
実家にいた頃は「自分にはどんな仕事が向いているのかな?」とモヤモヤしながら暮らしていましたが、長年犬との暮らしを経験したことや、犬が大好きという気持ちが強くあったので、「私の得意分野はペットに寄り添う仕事なのかな?」と感じるようになりました。もっと早い段階でやりたいことを見つけていたら良かったのに、なんて思うこともありますが…。私の弟が実家の工場を継ぐ予定なので、家のことは弟に任せて、私は安心して家を出てきちゃいました。
― いくつになっても夢を叶えるために行動を起こすことは、素晴らしいと思います!
ストイックな選手生活を送ったその先は…
― 村上さんは子どもの頃はどんなお子さんでしたか?
村上さん:泳ぐことが大好きで、小学生の頃は毎日スイミングクラブに通っていました。人と競争するのはあまり好きではなかったんですが、小6のときに平泳ぎの選手として全国大会で入賞したことがあります。当時は放課後に毎日水泳をしていたので、お友達と遊んだ記憶がありません。今では考えられないくらいストイックな生活を送っていました。
その後、中学生になるとすさまじい反抗期がやってきて。たぶん小学生時代の反動だと思うのですが、自由を求めるようになりました。
― 中学生になり、水泳はやめてしまったんですか?
村上さん:はい、水泳はやめました。中学生の頃はギャルの先輩に憧れて、「私も立派なギャルになりたい!」という考えになっちゃったんです。それで渋谷のギャルサークルに所属して、毎日パラパラの振り付けを練習する日々を送りました。もともと体育会系だったので、部活動のノリでパラパラにのめりこんでいき、一糸乱れぬパラパラを踊るために本気で練習していました!
また、ギャルサークルでは上下関係が厳しくて、あいさつやルールなど社会の基本のようなことも学びましたね(笑)。ギャルサークルでは小麦色の肌になるために日焼けも必須だったので、毎日屋上で日光を浴びて日焼けしたり…。今でもあのギャル時代はキラキラした思い出です。生きる上で大切なことは、みんなギャルサークルで教えてもらったと確信しています!
― 水泳選手から渋谷のギャルとは、なかなかの方向転換でしたね。今の村上さんの落ち着いた雰囲気からは想像できませんが、きっとギャル姿も似合っていたんでしょうね〜。そんな村上さんが穏やかな生活を望むようになり、群馬県に移住したとは驚きです。富岡に住んでみて感じることは何かありますか?
村上さん:私はこちらへ、実家で飼っていたシニア犬のニコと一緒に引っ越してきました。今の家の周辺には川が流れていて、景色を眺めながらのんびりとお散歩できるコースもあります。愛犬を通して地域の人と仲良くなり、おすそ分けの野菜をいただくこともあって、私のような単身者を温かく迎えてくれる地域の人たちの優しさを感じる毎日です。
さらに住んでみて感じたことは、「車があれば交通の便が良い」ということですね。高速道路のインターもあるので、意外と東京も近いと感じています。それにここから1時間弱で軽井沢エリアにも行けるので、お出かけするには良い場所だと思いました。
優しさがあふれるこの街での暮らし
― 村上さんと愛犬ニコちゃんのお気に入りの場所を教えてください。
村上さん:城下公園のドッグランです。
飼い主のみなさんと何気ない愛犬トークに花を咲かせたりと、犬を通して地域の方と交流できるのは嬉しいですね。ここに集まるワンちゃんも人もみんな穏やかで優しいので、居心地が良いです。このような市営のドッグランがあることはとても有難いですね。
― 私もこのドッグランが大好きです。犬同士で仲良く駆け回って遊んだりしながら犬の社会も学べて、素晴らしい場所ですよね。
城下公園ドッグランで遊ぶニコちゃんたち
― 最後に、村上さんの将来の夢をお聞かせください。
村上さん:私は子どもの頃から犬と一緒に過ごし、たくさんの愛情を与えてもらいながら、犬の純粋で優しい性質に魅力を感じてきました。そして、犬との暮らしをより一層楽しみたくて、のびのびと暮らせる自然豊かなこの地域にやってきました。これからは、ペットスクールで学んだことや資格を活かして、市内でペットの預かり施設やドッグランなどを作りたいです。人と愛犬との暮らしがより豊かになるようなライフスタイルを提案できたらいいな、と考えています。
富岡市はペットツーリズムにも力を入れているようなので、ペットフレンドリーな街だと感じています。犬との暮らしは大変な部分もあるけれど、私たちの生活に彩りを与えてくれると思うので、犬と暮らす良い部分をここからみなさんに発信していきたいですね。
村上さんの明るい笑顔は、ワンちゃんにも大人気。ドッグランではたくさんの犬たちが、村上さんに駆け寄ってくるんです。
きっと村上さんの犬を思う気持ちが、にじみ出ているんでしょうね。
これからどんなペット施設ができるのか楽しみです♪
ペットツーリズムの盛り上げ役としても、村上さんの今後の活動に期待しています。
(マツオ)