富岡から下仁田方面へ国道254号を進んでいくと、神農原の上信電鉄の線路沿いに、テントのような建物があります。
この中がどうなっているのか、ご存じですか?
ここは、ラジコンを走らせることができるサーキット場『WORLD JAM RACING(ワールドジャムレーシング)』。
カネコは車で通り過ぎるたび、この建物を横目に見ていました。
休日には中から何やら賑やかな声が聞こえてくることも…。
同じように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
という事で、ワールドジャムレーシングさんに行ってきました!!
「ラジコン」と聞くと、小学生の男の子が遊ぶようなイメージでしたが…。
ここでは、自分好みのラジコンをイチから作り上げる本格派。
どんな仕様で、どんな走り方で、どんなデザインがいいかを考え車体を仕上げていく、こだわりが詰まった大人の遊び場になっているのです。
店長の佐俣 礼典(さまた あやのり)さんにお話を伺いました。
店長の佐俣礼典さん
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サーキットオープンまでの波瀾万丈
佐俣さんは富岡市出身。高校までを富岡で過ごし、卒業すると富岡を離れて、友人とロックバンドを組んで活動していたそうです。
とにかくバンド活動に明け暮れる日々を過ごし、ギターやベースと色んな楽器をこなして、インディーズでCDを数枚出していたとか。ですがその生活も30歳で終わりを迎え、富岡に戻ることになります。
戻ってきた理由は、バンド仲間が群馬で就職するため。一緒にバンドを続けるには群馬に戻るしかないと、佐俣さんも富岡に戻り、地元の企業に就職します。
その頃、地元の同級生だった奥様とお付き合いをして、結婚。息子さんが産まれました。富岡での生活が順調にいっているように思えますが、佐俣さんは「全然楽しくない」と、まじめに働くことに違和感を覚え始めたそうです。
そして、息子さんが生まれてすぐに仕事を辞めてしまいます。
佐俣さん:おかしいと思うかもしれませんが、自分としては普通のことなんです。子どもの前で愚痴を言ったり、疲れ切った姿を見せたくなかった。自分が好きなことをして、楽しくしている姿を子どもに見せた方がいいんじゃないかって。で、仕事を辞めて好きなことをしようと思ったんです。
奥様から反対されなかったのでしょうか?
佐俣さん:まったくなかったです。反対ゼロです(笑)。むしろ、まじめに働いていた2年間の方がおかしいと思っていたみたいで。子どものころから知っている同級生で、自分のことを全部分かっているからでしょうね。それなら好きなことを頑張れって言われて。
なぜサーキットを始めることになったのかというと…
佐俣さん:基本的には何でもよくて。その時にハマっていたのがラジコンだったんです。パッと思いつくと始めちゃうんです(笑)。
そこで元々ご実家の畑だった現在の場所に、サーキットを作ろうと思いついたそうです。
当時を振り返りながら、「今の自分だったら絶対にできない」と佐俣さん。
思い切りの良さと、奥様の懐の深さに驚きです。
「JAM」は佐俣さんが好きなギタリストのニックネームで、そこからお店の名前を「ワールドジャムレーシング」にしたそうです。
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大人が夢中になるから面白い
ワールドジャムレーシングでは、月に2回レースイベントを開催しています。
レースには市外、県外からのお客さんが多いそう。最初の頃は市内の方もいましたが、だんだんと近県や遠方から来る方が増えてきたとのこと。
県内でもこのスケールのサーキットはあまりないそうです。
レースには常連の方が多く、なかにはオープン当初から通っている方も。
サーキット内の脇には準備やメンテナンスができるスペースがあり、一番奥はその常連さんのスペースで、たくさんの荷物があふれていました。
「みんなが夢中になって楽しんでいる姿を見ると自分も楽しい」と佐俣さん。真剣な参加者と、みんなで盛り上がるレースを開催中。
ラジコンに興味があるなら、まずは見学だけでもOK。「気軽に来て見てほしい」と佐俣さんは言います。お客さんの中には仕事をリタイヤしてのんびりと遊びに来る方もいて、伺ったこの日も、ラジコンを走らせている年配の方がいました。
また、ラジコン初心者でもここでアイテムを一式揃えることができます。細かいパーツの販売があったり、車体デザインをオーダーメイドで注文できるそうです。
元々お客さんだった方が車体の塗装が得意で、今では受注販売をしているのだとか。
デザイン塗装にはいくつもの工程が。好きな事が仕事になるって素晴らしい!
佐俣さんの周りには、いつも頼れる地元の同級生や友人がいます。
佐俣さん:レースイベントの時も、毎回のように無償で手伝いに来てくれる仲間がいるんです。たぶん私は甘えるのが上手なんだと思います。ずっと甘えてるのかな。
お客さんがあまりいなかったオープン当初も、友人たちが支えてくれたそうです。
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これからやってみたいこと
今後、何か考えていることはあるのでしょうか。
佐俣さん:もしかしたら、数年後はサーキットでなくなってるかもしれません。何か思いついたら始めちゃうから(笑)。バンド活動もできるならしたいかな。でも自分でするより、若い人をプロデュースしてみたいとも思っています。
プロデュース??と驚きましたが、これからどんな展開になるのか楽しみです。
最近では、お店の外にバーベキュー場の貸し出しも始めました。
佐俣さんは、みんなで楽しめる場所を作ることがお好きなようです。
【ワールドジャムレーシング】
営業時間:10時~21時
定休日:木・金曜日
お問い合わせ:
090-6104-5401
jam261677@gmail.com
お話を伺った佐俣さんからは、とても柔らかい印象を受けました。ご自身のことを「普通じゃない」と言いますが、そんな大らかさが、友人やお客さんにとって居心地の良さとなっているのではないでしょうか。お客さんが常連さんばかりというのは、佐俣さんの人柄にあるのだと思います。
ラジコンをやったことがないみなさんも、レースイベントを見学してみてはいかがですか?佐俣さんや出場してる皆さんが楽しんでいる姿だったり、抜きつ抜かれつのラジコンレースを見てワクワクするのも、楽しいかもしれませんよ。
自己紹介記事にも書きましたが、カネコはサルセーションが日々のストレス発散になっています。そんな夢中になれるものがあるのは幸せなことですよね。みなさんの夢中になれるもの、是非まゆといとにお知らせください。
(カネコ)