富岡市在住の知人が、「公民館で気功を習っているよ」と教えてくれました。
気功!?えーと…
皆さんは「気功」と聞いて、どんなイメージが湧きますか?
私は以前行った北京旅行で、至る所で人が集まって、体操のようなことをしていた光景を思い出しましたが…それ以上のイメージはありません。
気功のことを何も知らないぞ!これは教えてもらわなきゃ!と思い、早速取材をしてきました。
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富岡生まれ富岡育ちの村田先生
今回は、一ノ宮公民館の自主教室「健康気功」に潜入しました!(自主教室とは、生徒が講師に依頼し、自主的に公民館を借りて実施する教室のことです。)
昨年4月の新型コロナウイルスによる緊急事態宣言時には公民館も閉鎖していましたが、現在は新しいルールが適用され、市民への貸し出しも再開。利用の際は、人数制限や換気、消毒の徹底などが必要です。
公民館の利用に関する詳細はこちら
入口で手指を消毒します。つい靴を脱いでしまいそうですが、土足でOK。
入口のスケジュール表を見ると、気功以外にも、ヨガや筋トレの集まりもあるようです。
「健康気功」は2階の学習室で行われるとのこと。生徒さんが集まる前にお邪魔して、講師の村田先生にお話を伺いしました。
【健康気功講師・村田 智幸(むらた ともゆき)さんプロフィール】
富岡小学校・富岡東中学校を卒業。中学時代、映画で見たジャッキーチェンのカッコよさに惹かれ、気功の世界に興味を持つ。2010年に少林寺気功を習得し、指導員に。全日本少林寺気功協会・群馬支部の支部長を務める。
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―村田先生はどうやって気功を習得されたのですか?
村田:学生時代から気功に興味があり、独学はしていたものの、本格的に始めたのは2008年からです。ある日掃除をしていると、昔購入した気功の本が出てきたんですね。購入当時は少ししか読まず放置していたんですが、見つけた時は何故かあっという間に読めたんです。本の中に「気功師養成コース」の紹介もあったので、すぐに連絡して東京まで見学に行き、申し込みました。その本の著者が、私の先生(嵩山少林寺第34代最高師範 秦 西平)です。
人生には不思議な巡り合わせ、タイミングがありますね。
ー 購入から時間が経ち、忘れていた存在の本だったのに。本を見つけてからの勢いといい、本当に不思議ですね。
そのコースには、気功の講師になりたいと思って受講されたんですか?
村田:いいえ、自分が講師になることは考えていなかったんです。あくまでも自分自身が気功を習得したいという一心でした。
―え!そうなんですね。ではどうして講師に?
村田:少林寺気功協会の先輩から、ボランティアに誘われたんです。老人ホームの方々に気功体験をしてもらう内容でした。やってみると、「俺が健康にしてあげよう!」と思って行ったのに、逆に元気をもらったんです。それがきっかけで、講師になることにしました。
人に教えることで気づきをもらうことは多いですね。東京や神奈川でも教室をやりましたが、どうせなら地元で気功を広めたいと思い、富岡でも教室を始めました。
ー 逆に元気をもらうなんて、素敵なエピソードですね。本格的に習得した気功を地元・富岡で指導してくださるのは有難いです。
私は気功初体験なのですが、気功って簡単に言うと何なのでしょう?
村田:気功は自分と仲良くなる一つの方法だと思います。気功をきっかけに意識が内側に向く、そうして自分自身と向き合い、日常生活ではなかなか気づかない自分の調子に気づくことがあります。教室名の通り、健康のためにやっています。実際にやってみれば体がほぐれ、血流が良くなっていくのも分かると思います。
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いざ、気功チャレンジ !
ストレッチの様子。年配の方もいらっしゃいましたが、誰もバランスを崩したりしません。
まずはストレッチ。この時点で、生徒の皆さんも足腰がしっかりしていて、柔軟性があると感じました。みなさん1〜4年は続けているそうなので、効果が出ているのかもしれませんね。
みなさん重心が低い!足腰がしっかりしています。
ストレッチ後、いくつかある手や足の型を教えてもらい、少林寺気功の基本動作というものを教えてもらいました。これで全身を動かし、肉体と精神の準備体操をするのだとか。
【少林寺気功の基本動作】
基本動作は「四段功(よんだんこう)」と言い、4種類ある。
① 通天採気(つうてんさいき)
② 陰陽回転(いんようかいてん)
③ 左右冲拳(さゆうちゅうけん)
④ 馬歩虎掌(まほこしょう)
…気功っぽいクールなネーミング。聞き馴染みがなさすぎて、黒板に書いてもらいました。それぞれがどういう動きなのかを説明するのは、気功素人の私には不可能です(泣)
村田先生の言葉、写真から感じ取っていただければと思います。
写真で見るとシンプルな動作ですが、難しい呼吸法をしています。手・腹筋・お尻・足の指に力を入れながら息を吐いて、吸うときに力を抜きます。普段の逆だと思いませんか?
村田:気功では「呼吸」「イメージ」「動作」を合わせます。知らない間に、日常でやっていることもあると思います。
天のエネルギーや大地のエネルギーを感じ、良い気を吸い込む、病気・悪い気を吐き出す。これをイメージしながら体を動かし、呼吸も合わせます。
なんとなくでもいいので、気が体の中に流れていること、一つひとつの細胞に染みわたっていくイメージができるといいです。
おへそから指3本ほど下の位置にある「丹田(たんでん)」は、体の中心と言われています。気功の動作を繰り返すことで全身に気が巡り、丹田に気を集めて身体の状態を良くしていきます。
パンチやキック、防御の姿勢など、武術に繋がる動作もありました。
村田先生の流れるような動きは、しなやかさも力強さもありカッコイイです。
この手の形、できますか?先生の真似をしようとしても、小指と薬指が連動してしまい、指が言うことを聞きません(笑)
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生徒さんの感想も聞いてみました。
・ 気功をやった後は、なんだか身体がリセットされた感覚になります。
・最初はできない呼吸法も、徐々にできるようになります。呼吸が気持ちよいです。
・ストレス発散になって、気持ちがスッキリします。昨年の自粛中は体温が下がってしまったので、運動は続けたいですね。
・激しい動きや難しい動きではなく、簡単な動きの連続なので、体に負担がなく無理なくできます。
みなさんの感想には、2時間体験しただけの私も共感できました。
すぐには真似できない動作もありましたが、体を撫でて摩擦したり、軽く叩くことで経絡(気の通り道)を刺激するなど、簡単な動きも多くありました。最後には「気功ダンス」もあって楽しかったです♪
「気」は目に見えませんが、シンプルに「元気でいよう!」という想いを込めながら「呼吸・イメージ・動作」を繰り返すことで、自分自身と向き合えた気がします。
●気功教室に関するお問い合わせ先
村田 智幸 mura_qigong@yahoo.co.jp
一ノ宮公民館では、第2・第4木曜日の13:30~15:30に自主教室が行われています。参加費は1回500円。
この他でも要望に合わせて教えてくださるそうなので、お友達や家族で集まって先生に相談することも可能です。
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習いごとだけでなく、皆さんが実践している健康法もぜひ教えてください♡
(ホシナ)