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まゆといと

2022.03.16 畑、養蚕、狩猟

狩猟について聞いてみた③ 免許を取っていざ山へ!

富岡市の住宅街から山間部へ引っ越したことで、急に野生動物の存在が身近になったナカヤマによる『狩猟について聞いてみた』シリーズ。

 

第1回は、「狩猟」と「有害鳥獣の許可捕獲」の違い、野生動物の捕獲をとりまく現状と課題についてお話を聞きました。

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何も知らない私が狩猟について聞いてみた。

 

 

第2回は、70代のベテランハンターと市内最年少サラリーマンハンターのお二人に、狩猟を始めたきっかけや魅力について聞きました。

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狩猟について聞いてみた② 狩猟の魅力って何だろう

 

 

そして今回は、狩猟免許取得から猟に出るまでの流れ・費用・猟友会のことなど、かなり具体的なお話を聞いてきました!

 

 

 


 

 

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狩猟デビューへの道① 狩猟免許を取得する

 

 

狩猟を行うには、各都道府県が実施している『狩猟免許試験』に合格する必要があります。

 

※狩猟免許には、網猟免許・わな猟免許・第一種銃猟免許・第二種銃猟免許の4種類がありますが、今回は装薬銃(散弾銃やライフル)と空気銃を使用する「第一種猟銃免許」についてお伝えします。

 

令和3年度から狩猟に参加した新人ハンターお二人の実体験を元に、狩猟デビューまでの流れを解説していきます!

 

左から、富岡市役所農林課の大塚さんと柗井(まつい)さん。仕事で有害鳥獣駆除に関わりながら、プライベートでも狩りの道へ。

 

 

〈狩猟免許を取得するまでの流れ〉

 

試験に申し込む(試験1ヶ月前)

テキストで勉強をする

猟友会による事前講習会に参加する

県庁にて適性試験・知識試験・技能試験を受ける

合格が発表され免状が郵送される(試験翌週)

 

\コメント/

貰ったテキストで勉強すれば知識試験は大丈夫。技能試験は、事前講習会に参加しないとわからないことだらけだった。

 

 

申込手続きの際に渡される無料テキストと、必ず案内される事前講習会。この2つをしっかりと押さえておけば合格できるようです。

 

狩猟免許の有効期限は3年間で、更新は9月です。更新時には適正試験と講習を受ける必要があります。

 

狩猟免許試験の日程と申込み方法は、富岡森林事務所または群馬県のホームページでご確認ください。

群馬県ホームページ – 射撃・狩猟

 

 

 

 


 

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狩猟デビューへの道② 銃の所持許可を受ける

 

撮影場所:黒澤銃砲火薬店

 

 

猟銃を用いて狩猟を行うためには、狩猟免許の他に「銃の所持許可」を警察署で取得しなければなりません。許可を受けていない人は、銃に触れただけでも銃刀法違反で罰せられてしまいます。

 

 

〈銃の所持許可を受けるまでの流れ〉

 

初心者講習会に申し込む(開催2ヶ月前)

テキストと例題集で勉強をする

猟友会による対策学習会に参加する

県警本部にて初心者講習会を受講し、筆記試験に合格する

市内の射撃場で教習を受講し、実技試験に合格する

購入する銃を決めて所持許可の申請をする

ガンロッカーの設置確認や身辺調査が行われる

所持許可証が交付される(講習会申込からここまで7ヶ月)

 

\コメント/

・初心者講習会は年6回行われる。受講希望者が殺到するため、希望日に受けられるとは限らない。テストは難しく、申込時に貰える教科書だけでなく例題集も買って勉強をした。合格率は50%ほどだった。

・射撃の教習は、未経験でも教官に言われた通りにやっていればできるようになる。

・銃の自宅保管は、賃貸物件だと管理会社が許可しないことがある(その場合は銃砲店などに委託保管する)。

 

 

流れは簡単に書きましたが、この中に数々の手続きがあり、医師の診断書も必要になります。お二人は警察や銃砲店で教えてもらいながら順調に進めることができたそうですが、もっと時間がかかってしまう人も多そうです。

 

銃の所持許可の有効期限は、許可を受けた日から数えて3回目の誕生日まで。ひとつの銃に対する許可なので、複数の銃を所持する人はその数だけ申請が必要となります。

 

手続きの詳細は、富岡警察署生活安全課または群馬県警察のホームページでご確認ください。

群馬県警察ホームページ

 

 

 


 

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狩猟デビューへの道③ 狩猟者登録をする

 

狩猟の際に必ず携帯する「狩猟者登録証」と銃の所持許可証。

 

 

①、②を経てついに猟銃を購入したお二人ですが、まだ猟は始められません。狩猟を行う都道府県で狩猟者登録を行い、狩猟税を納める必要があります。

 

こちらは個人でも申請できますが、「猟友会」に所属していれば手続きを代行してくれます。

 

また、有害鳥獣の許可捕獲を行うには、市からの許可を受ける必要があります。

 

 

さあ準備は整いました。あとは先輩猟師さんに教わりながら、いよいよ山で実践です!

お二人は大塚さんの出身地である丹生地区のグループに加入し、初の狩猟シーズンを経験。鳥獣被害対策実施隊員として有害鳥獣の駆除にも参加しました。

 

 

 

今年度の成果は、大塚さんは2頭、柗井さんは1頭。わなにかかったイノシシを仕留める「止め刺し」に呼ばれたそうで、とても緊張したそうです。

 

 

 

 


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猟友会ってどんなもの?

 

 

 

ここで気になるのが「猟友会」の存在。入会は任意ですが、富岡市では市内で猟を行う人のほとんどが猟友会に入会しています。

 

ここからは、富岡猟友会の事務局を務めている黒澤銃砲火薬店の黒澤昇さんにお話を伺いました。

 

法律の改正など警察からの通達を狩猟者に伝えたり、事故防止指導を行なっているという黒澤さん。

 

 

ー 猟友会に入るとオレンジ色のベストと帽子が支給されると聞きましたが、他にはどんなメリットがあるんでしょうか?

 

黒澤さん:例えば、傷害保険の手続きや、狩猟免許の更新といった事務手続きを代行してくれます。また猟“友”会の名の通り、横のつながりができます。

 

ー チームで獲物を追い込む「巻狩」にも参加できますし、特に初心者は先輩から様々なことを教わることができますね。

 

黒澤さん:山には猟をやっていい場所といけない場所があって、どの山にどのグループが入るというテリトリーもあるので、それを知らずに山に入ればトラブルの元になります。猟のやり方も徐々に教わっていくものですしね。

 

ー これまで取材した印象では皆さんとても楽しそうでしたが、一般的には「猟友会は怖い」というイメージを持っている人もいるそうです。

 

黒澤さん:現在の会員は60代・70代がメインですが、その上の世代の人たちは確かに怖かったです。そのイメージが残っているんでしょうね。ただ、危険をともなうので指導する時に言葉がキツくなる部分はどうしてもあると思います。

 

ー 最近は若いメンバーが増えてきていますか?

 

黒澤さん:富岡市と周辺の自治体では新たに狩猟を始める人に手厚い補助が出るので、30代・40代を中心に増えいます。山に入れば先輩に怒られることもあると思いますが、それでも始めた人はみんなハマってますね。

 

ー それは良かったです。読者のみなさんにメッセージをお願いします。

 

黒澤さん:富岡市は年間何百頭と捕獲しても、農作物の被害が減っていません。狩猟を始める人に対する手当は全国的に見ても厚い方なので、ぜひ始めてもらって、地元の被害を食い止め、美味しく食べてもらいたいです。

 

 

黒澤さんは、狩猟を始めるにあたりどういった準備が必要なのか、費用はどのくらいかかるのかなど、とても親切に教えてくださいます。

猟友会に入会する際は必ず黒澤さんの元を訪れることになりますが、試験を受けると決めた時点で相談をしに行くのがオススメです。

 

黒澤銃砲火薬店のFacebookページ

黒澤さんのインスタグラム

 

 

 

 


 

 

気になる「お金」のこと

 

 

狩猟免許と銃の所持許可の取得、猟銃の購入までにどのくらい費用がかかるのかを、市内在住のAさんを例に見てみましょう。

富岡市は狩猟を始める人に手厚い補助が出るそうですが、どのくらい出してもらえるのでしょうか…?

 

 

費用の半額の補助(猟銃は上限10万円、ガンロッカー+装弾ロッカーは上限3万円)が出て、かかった金額は約17万円だったようです。

 

さらに毎年の費用として、狩猟者登録の手数料・狩猟税・ハンター保険・猟友会費などで約4万円ほどかかるとのこと。

 

そして気になる奨励金ですが、富岡市ではイノシシ・ニホンジカを捕獲すると1頭当たり2万円が支払われることになっています。

 

 

命や環境問題に向き合い、地域の畑を守りながら仲間と交流ができて、お小遣いとお肉が手に入る…。

 

かかる費用を高いと捉えるか、安いと捉えるかは人それぞれ。ハマればハマるほど道具にお金をかけたり車が欲しくなったりすると思いますが、それはどの趣味でも同じことですね。

 

 

 


 

 

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まずは話を聞きに行ってみよう!

 

 

狩猟デビューまでの流れをざっくりとご紹介しましたが、ここでは説明しきれなかったことがたくさんあります。何か知りたいことがあれば、これまでの記事に登場した方々にぜひお話を聞きに行ってみてください。

何度も言っていますが、始めるならベテラン猟師さんがたくさんいる今がチャンスです!

 

 

また今回の取材では、猟期が終わったばかりの山を案内してもらい、猟場の雰囲気を体感することもできました。その様子はまゆといとインスタグラムの方で近日中にご紹介します。

 

 

これにて『狩猟について聞いてみた』シリーズは完結!

まゆといとで『狩猟日記』を書いてみたいという方、いらっしゃいましたらお気軽にご連絡ください。お待ちしています!

 

 

(ナカヤマ)

 

 


 

 

リンク

 

狩猟免許および猟銃等所持許可の取得に対する補助について(富岡市)

射撃・狩猟(群馬県)

野生鳥獣の保護及び管理(環境省)

 

 

 


 

 

市民農園のこと、農林課の和田さんに聞いてみた。

【珈琲焙煎所 月とゆふづつ】西尾祐諄(にしお ひろし)さん