富岡市内の手軽に楽しめるおでかけスポットを紹介する
「おでかけしようよ!ふらっとTOMIOKA」シリーズ。
今回は『東富岡さんぽ』と題して、田篠・曽木・星田周辺を子どもたちを連れてのんびりおさんぽしてみました。
どんな出会いがあるのかな?地域の人々との交流もとっても楽しみです。
それでは行ってみましょうー!!
◆ 旅のしおり ◆
だがしや あろ〜は(田篠)〜 曽木神社の湧水地(曽木)〜 おのれの滝(曽木)〜 城下公園・市営ドッ グラン(曽木)〜 星田虚空蔵堂(星田)
みんな大好き!!わくわくがとまらない駄菓子屋さん
まずはおさんぽ旅になくてはならない “おやつ” の買い出しです。
住宅街の細い路地を進んでいくと・・・オレンジ色ののぼりを発見!!
こちらの『 だがしや あろ〜は 』は令和3年春にオープンした駄菓子屋さん。
子どもたちはお店に入る前から、わくわくオーラ全開です。
「ひとりいくらまで買っていい?」
入店早々、みんなのハートをわしづかみの駄菓子屋マジック。
今日のおやつ代はひとり200円。子どもたちは店内のお菓子の値段を確認しながら、好みのおやつを選んでいます。駄菓子屋では算数のお勉強もできちゃうんですよね!
私が小学生の頃もアレコレ選ぶのがとっても楽しかったなあ。
店主のモジャモジャさん(仮名)に、駄菓子屋をオープンした経緯を伺いました。
モジャモジャさん:自分も小1の頃から駄菓子屋に通っていて、そこでいろんなことを学びました。いまでもお店のおばちゃんの顔ははっきり覚えていて、僕のルーツは駄菓子屋にあると言ってもいい。しかし大人になり、昔ながらの駄菓子屋がどんどん無くなっていく現状を知って切なくなりました。
だったら自分で駄菓子屋を始めればいい!とも思ったんですが、なかなか踏ん切りがつかなくて。あるとき思い立って、ラジオ番組に「駄菓子屋をやるべきかどうか迷っている」という内容のハガキを投稿したら、すぐに番組で読んでくれて、パーソナリティーの方が「やったらいいよっ!」って背中を押してくれたんです。そのおかげでやる気スイッチが入り、駄菓子屋オープンに向けて即行動に移しました。
そこから商品の仕入れや店舗の設営などの開店準備を二ヶ月間で行い、令和3年4月にこの店をオープン。自分でもびっくりするくらいの速さで、物事が進んでいきました(笑)。 すると、「富岡におもしろい駄菓子屋があるよ」と噂が広がり、近隣県や県内の各地からもお客様が来てくれるようになりました。
このお店にいらっしゃる大人のお客様はみんな入り口で目を丸くして、一気に表情が子どもの顔に戻るんです。あの頃を知っている世代にはたまらない、懐かしくて楽しい場所なんでしょうね。
『 だがしや あろ〜は 』はオトナも子どもも笑顔にさせる、とっておきのパワースポットです。店主のモジャモジャさんの周りには近所の子どもたちがワイワイと集まり、なにやら楽しそうにお喋りしています。その日に学校であった出来事や、片思い中男子の恋の相談などなど、、親には言えない内緒ばなしも、モジャモジャさんには相談できちゃうみたい。
昔はこんなオトナがどこの町にもいてくれて、子ども達をあたたかく見守ってくれていたんですよね。
こちらのお店の住所は非公開となっています。子どもの頃にワクワクしながら挑んだ宝探しゲームの ように、この記事に散りばめられたヒントを頼りにお店を探してみて下さいね! (※ 店舗周辺は住宅街にあり道路が狭いので、徒歩や自転車でのご来店をおすすめします。狭い道路では対向車とのすれ違いにお気をつけください。)
清らかな水の流れに癒されて
続いて向かったのは、曽木神社の湧水池です。池の水は透明度が高く、大きな鯉がゆらゆらと泳ぐ姿が見られます。子どもたちが池のほとりでパンパンと手を叩くと、たくさんの鯉が寄ってきました。
毎年12月には地域住民の方が湧水池の大掃除を行っています。冬になるとたくさんの枯れ葉が落ちるので、池の水を抜いて手作業で枯れ葉を取り除くそうです。
また、曽木神社には「片目うなぎ」の伝説もあります。
昔、目の悪い人が神社にお参りをして、治ったお礼にうなぎを池に放したそうです。池のうなぎは患者の身代わりとなって眼病を患い、片目になってしまったとか…。
このような「片目うなぎ」の伝説は日本各地にあるそうで、なんとも興味深いお話です。
湧水池から道路を挟んだ向かいには、石垣に囲まれた洗い場と踏み石がいまも残されています。昔はこの湧水で農具を洗ったり野菜を洗ったりと、地域住民の暮らしに活用されていました。
いまでも、暖かい季節になるとこの水辺に子どもたちが集まり、ザリガニ釣りやドジョウを捕まえる姿が見られます。初夏には近くの線路沿いでホタル観賞も楽しめるそうですよ。
線路わきを流れる由緒ある滝
曽木神社をあとにして下仁田街道を東の方向へ進んでいくと、鏑川にかかる上信電鉄の橋梁のすぐ下に、小さいながらも勢いよく流れる滝が現れます。「おのれの滝」という名のこの滝、水源はさきほど寄った曽木神社の湧水です。
橋脚の基礎部分は石が積まれていて、とても古そうな造り。道路わきには石碑があります。なにが書いてあるのかな?と調べてみると、明治6年に昭憲皇太后(明治天皇妃)が富岡製糸場を訪問し、その帰り道にこの滝近くの茶屋で休憩をとった際に〔滝を見ながら一句詠んだ歌〕がこの石碑に書かれているんだとか。「おのれの滝」という名もこの石碑に記されています。
市内をおさんぽしながら、歴史ストーリーに触れるきっかけも頂きました。
子どももワンちゃんものびのび遊べる穴場スポット
おのれの滝からさらに100メートルほど進むと、城下公園に到着です。
こちらの公園は新富岡大橋の橋下にあり、遊具が設置されている子ども向け公園エリア、駐車場、市営の屋外ドッグラン施設が隣接しています。
子ども向け公園エリアには、ブランコ・平均台・ 小高い丘などがあり、子どもたちが鬼ごっこをするのにちょうどよい広さです。
令和3年3月にオープンした「城下公園市営ドッグラン」は、無料で利用できます。 白いフェンスで囲われた敷地内のほとんどは土で覆われ、一部に芝生と木片チップが敷いてありました。
こちらをよく利用している方にお話を伺ってみると、「天気の良い週末は、このドッグランで思いきり犬を走らせています。ここはキレイに整備されていて、空いているのでありがたいですね。」と笑顔で答えてくださいました。
この日もかわいいワンちゃんたちが、のびのびと気持ちよさそうに走り回っていました。 ドッグラン出入口付近には犬用足洗い場も設置され、広々とした園内はいつでも空いている穴場スポットです。
―城下公園情報―
⦿トイレ 有り
⦿あずまや 有り
⦿犬用足洗い場 有り(ドッグラン前)
⦿駐車場 有り
岩に覆われたお堂は一見の価値あり
旅の最後に訪れたのは星田の虚空蔵堂(こくぞうどう)です。
山の斜面にある急な階段を登っていくと突如現る虚空蔵堂。
そこにはなんとも不思議な光景が…目の前のお堂が岩に吞み込まれているではありませんか。どうやって建てたんだろう?
吸いこまれるように岩窟のなかに入ってみると、お堂のまわりをぐるりと一周できました。
すごい…岩窟内部のお堂の屋根は岩の天井ギリギリに作られています。 みなさんもぜひ実際に見てみてください!!身近で珍百景に遭遇できますよ。
こちらのお堂は山の中腹に建てられているので景色がよく、境内からは富岡の町並みと鏑川を見下ろすことができます。
地元の方にお話を伺うと、毎年1月に虚空蔵堂の例祭があり、子どもの頃から毎年このお祭りに行くのが慣わしになっていたとのこと。地域住民はお正月飾りや両目の入ったダルマを持って行き燃やしてもらったそうです。例祭の日にはダルマを売る店やホルモン揚げの屋台が並び、境内のスピーカーからは朝から晩までありがたい読経が流れるのだそうです。
いかがでしたか?
富岡市には各地域に独特な文化や風習があり、いまもなお昔からの習わしを受け継いでいる地域も多く存在します。
今回の取材では、東富岡に昔から住んでおられる地元の方々にご協力をいただき、地域にまつ わる興味深いお話を伺うこともできました。 東富岡で過ごした子ども時代の思い出を楽しそうに話してくださった方、もっとたくさんの昔話が あるよ!と快く取材に応じてくださったご年配の方などなど。
今回のおさんぽ旅でも、地域の方々との出会いによって新たなご縁が生まれました。
東富岡エリアにはまだまだ訪れたい場所がたくさんあります。みなさんのおすすめの場所や子どもの頃の懐かしいエピソードなど、ぜひお知らせください!
(マツオ)