富岡市の暮らしと移住のWEBマガジン
まゆといと

2026.05.08 子育て、行政サービス

こころに寄り添う居場所 『相談室』と『よもぎ教室』

新年度が始まりました。

街では、真新しいランドセルや、少し大きめの制服に身を包んだ子どもたちの姿が目に入ります。

希望に満ちた春。

けれど、すべての子どもたちが軽やかな足どりで登校しているわけではありません。

 

「朝起きると体調がすぐれないみたい」

「学校の話をあまりしてくれなくなった」

お子さんのこのような変化に、戸惑いや不安を感じている保護者の方も多いのではないでしょうか。

 

そんな悩みにやさしく寄り添ってくれる場所が、富岡市にはあります。

子どもたち一人ひとりとそのご家族に、あたたかなサポートを届けている、富岡市教育支援センター「相談室」と「よもぎ教室」です。

 

今回は、それぞれの施設で所長を務める渡辺さんと、日々子どもたちや保護者に向き合っているスタッフのみなさんにお話を伺いました。

 

 

 


 

 

 

ひとりで抱え込まないための『相談室』

 

 

 

 

最初にご紹介するのは、富岡市教育支援センター「相談室」です。

ここは、悩みを抱える子どもや保護者の方が気軽に相談できる場所です。

 

対応してくれるのは、教育現場での経験を持つ相談員のみなさん。

静かな空間のなかで、ゆっくりと話を聞いてもらえます。

 

 

渡辺所長(中央)と優しく迎えてくれる相談員のみなさん。※曜日によって相談員さんの顔ぶれは変わります

 

 

 

言葉にすることで、心が少し軽くなる

 

― どんなきっかけで相談に来られる方が多いですか?

 

渡辺所長:学校でのさまざまな出来事が引き金となり、登校が難しくなったというご相談が多いです。年間を通してみると、ゴールデンウィーク明けに相談件数が増える傾向があります。

新学期が始まり、新しい環境のなかでなんとか頑張ってきたものの、心が疲れてしまい、学校に行けなくなってしまう。そんな時期なのかもしれません。

相談に来るタイミングに「早すぎる」ということはありません。小さな違和感を感じたら、こちらに相談に来ていただければと思います。

 

―「こんなこと相談していいのかな?」という内容でも大丈夫でしょうか?

 

相談員さん:もちろんです。どんなことでもお話しください。ここでお話しされた内容は秘密を厳守しますので、安心してお話しいただけます。

学校の問題だけではなく、ご家庭のことや、ちょっとした心配ごとでも大丈夫です。あまり構えずに、気軽にご相談ください。

 

― お子さんとはどのように関わっていくのでしょうか?

 

相談員さん:遊びや会話を通して、少しずつ関係を築いていきます。ボードゲームをしたり、絵を描いたり、興味のあることや好きなものの話をしたり。中には、飼っているハムスターのお話をしてくれるお子さんもいます。

どのような話題であっても、その子の「いまの気持ち」に寄り添うことを大切にしています。心のなかにたまったモヤモヤを言葉にして外に出すことで、気持ちが少し軽くなることもあります。

 

 

安心できる空間で、それぞれの過ごし方を

 

― 相談はどのような雰囲気で行われていますか?

 

相談員さん:保護者の方のお話を伺う部屋と、お子さんが過ごす部屋は分かれています。お子さんのお部屋では、ボードゲームやお絵描き、読書などを通して、リラックスして過ごしていただけます。

遊びだけでなく、お子さんの好きな話題で盛り上がることもあれば、静かに絵を描いたり、学校の宿題を持参して相談員と一緒に勉強をする子もいます。ここでの過ごし方は自由で、子どもたちにとって「ここが安心できる場所であること」を大切にしています。

 

 

ゆっくりと心の内を話せるお部屋

 

 

子どものお部屋では、おもちゃや本に囲まれて楽しく過ごせる

 

 

― 保護者だけでも利用できますか?

 

渡辺所長:はい、保護者の方のみのご相談もお受けしています。お子さんのことで不安を感じたときは、まずはお母さん・お父さんのお話を聞かせていただき、心を軽くするお手伝いができればと思っています。幼児から高校生まで、幅広い内容のご相談に対応しています。

 

 

二階の多目的スペースでは、卓球やフラフープなどで体を動かして過ごすこともできる。

 

 

【相談室 インフォメーション 】

■ 対象:幼児~高校生の児童生徒・保護者

■ 内容:不登校・いじめ・友人関係・学習・家庭の悩みなど

■ 日時:月曜日~金曜日 13:30~16:30

■ 場所:富岡市教育支援センター相談室(富岡市富岡2499-19)

■ 電話番号:0274-62-1897

■ 申込方法:上記時間内にお電話でお問い合わせください(保護者の方のみのご相談も可能です)

■ 富岡市教育支援センター「相談室」 | 富岡市

 

 

 


 

 

 

自分のペースで学べる『よもぎ教室』

 

 

続いてご紹介するのは「よもぎ教室」です。

 

・心配事や悩みがあって、思うように学校に行けない。

・長期間学校を休んでいて、学習や人と接することに不安がある。

 

こうした理由で学校に行くことが難しくなった児童生徒が、「学校とは別の場所で過ごしたい」と感じたときに、一つの選択肢として通うことができる施設です。

 

 

その子らしく過ごせる場所

 

 

よもぎ教室の渡辺所長と指導員さんにお話を伺いました。

 

― よもぎ教室では、子どもたちはどのように過ごしていますか?

 

指導員さん:ここでは授業のような形はとっていません。大切にしているのは、「自分のことは自分で決める」ということです。

毎朝、一日のスケジュールを自分で立て、その時間割をもとに過ごします。学校で使用している教科書や問題集で自主学習に取り組む子もいれば、読書に没頭する子、絵を描く子など、その過ごし方はさまざまです。

 

 

落ち着いた環境で、ゆっくり学習に取り組める

 

 

― 勉強のサポートはしていただけるのでしょうか?

 

指導員さん:はい。よもぎ教室の指導員は教員免許を持っていますので、勉強でわからないことがあればサポートしています。

ただ、「今日は勉強する気分じゃないな」という日は、それもOKです。そのときの気持ちに寄り添いながら、少し距離を置いて見守り、個々のペースに合わせた関わりを心がけています。自分のやりたいことに集中できる時間を持つことが、少しずつ心のエネルギーをためていくことにつながります。

 

― 勉強以外には、どのような過ごし方ができますか?

 

指導員さん:身体を動かす体育の時間や、手芸・工作、掃除の時間などもあります。また、月に一度の調理実習も行っています。

学年が異なる子どもたちが協力しながら過ごすなかで、一緒に活動する楽しさや、自然な関わりも生まれています。

 

 

手芸や工作のアイディアは指導員さんが考えているそう

 

ひたすら読書に没頭する日もOK

 

 

 

人とのかかわりが少しずつ重なって

 

― 初めて来る子どもたちは、どんな様子なのでしょうか?

 

指導員さん:最初の数日間は緊張している子が多いのですが、次第に子ども同士で打ち解け、自然と仲良くなっていきます。

ここに通っている児童生徒は学校や学年が違うので、「自分のことを知っている人がいない」という環境が、良い方向につながることもあるようです。

 

― 子どもたちが安心して通えるように、工夫していることはありますか?

 

指導員さん:すべての子どもたちを、やさしく、あたたかく迎えることを大切にしています。そして、話を聞いてあげること、会話を楽しむことも心がけています。

中学生くらいになると、興味のあることや「推し」の話で盛り上がることも多いですね。最新の話題についていけないこともありますが(笑)、そのようなコミュニケーションを重ねながら、どんな小さなことでも話せる関係を築くことが大事なのかなと感じています。

 

 

自宅のようにリラックスして過ごせる場所

 

 

 

チームで支える、家庭と学校との連携

 

― よもぎ教室と学校や家庭との連携はされているのでしょうか?

 

渡辺所長:毎月、各学校長へ状況を報告し、担任の先生とも連絡を取り合いながら、指導方針を相談しています。

また、保護者の方とも連携し、必要に応じて学校や指導員との話し合いの場を設けるなど、ご家庭が孤立しないよう努めています。

 

 

【よもぎ教室 インフォメーション】

■ 対象:富岡市内・甘楽町内在籍または在住の小中学生

■ 利用方法:在籍校の担任へ相談→校長の許可→見学・体験→利用開始 (直接よもぎ教室へお電話でお問い合わせしていただいても大丈夫です)

■ 開設時間:月曜日~金曜日 9:00~15:00(見学・面談は 15:00~16:00)

■ 場所:富岡市富岡378(市勤労者会館の敷地内)

■ 電話番号:0274-62-3165

■ 備考:昼食は各自持参。送迎は保護者または徒歩・自転車(中学生以上)。

■ 富岡市教育支援センター「よもぎ教室」|富岡市

 

 

 

 


 

 

もしも今、あなたやあなたの大切なお子さんが、出口の見えないトンネルの中にいるように感じていたら──

どうか思い出してください。

 

この地域には、あなたに寄り添ってくれる人がいます。

あたたかく迎えてくれる場所があります。

心のうちを話し、受け止めてもらうだけで、心が少し軽くなることがあります。

 

必要な人に、この場所が届きますように。

 

(マツオ)

 

 

 


 

 

心のモヤモヤ、小さいうちに「ぷらすゆう」へ。

 

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