富岡市の暮らしと移住のWEBマガジン
まゆといと

2024.05.10 移住-Iターン

妙義の暮らしと表現アート 松崎 菜香さん

「またまた素敵な人が妙義に移住してきましたよ!」

 

ある日まゆといとの会議で話題に上がったのは、アーティストの松崎菜香さん。

 

アートの世界にはさまざまなジャンルがありますが、松崎さんが行っているのは『表現アート』というもの。

 

『表現アート』って…いったいどんなものなのかな?

そんなことを考えていたところ、松崎さんが親子向けのイベントを妙義で開催する!というお知らせが舞い込んできました。

 

「まずは体験してみよう!!」と向かった先は、『妙義自然の家プラス』です。

 

 

『妙義自然の家プラス』として生まれ変わった旧妙義青少年自然の家。ロゴとイラストは松崎さんが手掛けています。

 

 

 

松崎さんによるこの日のイベントは、【こどもとおとなでいっしょにあそぶ感覚アートワークショップ】。こんなことをやりました☟

 

 

🔹🔹イラストや画像を見ながら感じたことを話してみよう🔹🔹

一枚の絵を見ながら、「ここは寒いのかな?」「朝なのか、夜なのか?」など、みんなでワイワイ話します。

 

 

 

🔹🔹音を聴いて感じたことを絵に描いてみよう🔹🔹

(これは水の音かな?)(これは打ち上げ花火??)聴いたことのある音もたくさんありました♪

 

 

 

🔹🔹飴を食べてその味を絵に描いてみよう🔹🔹

甘い?酸っぱい?苦い!?目をつぶって食べるのでドキドキ感がマシマシです☆

 

 

 

🔹🔹香りをかいで感じたことを絵に描いてみよう🔹🔹

同じ香りでもどんな風に感じるかは人それぞれ。絵の仕上がりも十人十色♪

 

 

 

小さなお子さんからオトナまで、同じ目線でいろいろなことを体験!

表現するうちにみんなすっかり打ち解けて、イベントが終わるころには「あ~楽しかった!」という声がたくさん聞こえてきました。

 

 

 

 

参加した方に感想を聞いてみると、

 

大人:「飴を食べて絵に表現する」ということは家でもできそうなのに、今までやったことがなかった!今日は感覚的にアートを体験できて面白かったです。

子ども:目を閉じて(なんだかわからない香り)をかぐと、その匂いにすごーく集中できた!それでアタマのなかに匂いが広がった!こういうおもしろいことをみんなで一緒にやるのは楽しいです。

 

…なるほど、今まで気づかなかった感覚を発見できたようですね。

私マツオも親子で参加したところ、わが子の感受性に感心したり、自分自身も五感を使ってアートを楽しむことができて、とても良い時間を過ごすことができました。

 

 

 

ワークショップに参加して、松崎さんにもっとお話を聞いてみたくなった私。

後日、妙義にある松崎さんのアトリエにお伺いしました。

 

 

 

 

【松崎 菜香(まつざき さいか)さん】

宮城県仙台市出身。6〜11歳まで南フランスで暮らす。東京や兵庫県でイラストレーターとして活動し、現在は妙義にてアートを通して心や身体と向き合う「表現アートセラピー」を提供している。

 

 

 


 

 

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妙義移住のきっかけは…

 

 

― 松崎さんはもともとは宮城県のご出身なんですね。妙義にやってくる前はどんな暮らしをしていましたか?

 

松崎さん:ここへ来る前は、兵庫県の丹波市に2年くらい住んでいました。当時はイラストレーターとして仕事をしていたんですが、コロナの影響もあって自分の仕事に “行き詰まり感” のようなものを抱えるようになり、方向性を見失ってしまっていて。そのタイミングでたまたまご縁があって、NPO法人若者メンタルサポート協会(https://www.wakamono-support.jp/)の相談員としての活動が始まりました。

私自身、子どもの頃に海外で暮らし、帰国後に日本の文化や学校生活に馴染めず “生きづらさ” を感じていたこともあり、悩める10代の子たちの支えになれたら…という気持ちもありました。「自分にできることはこれかもしれない」と、若者の悩みを聞く相談員になったんです。

心理系の分野の勉強を始めてみたところ、今までやっていたイラストやデザインのためにしてきたことが、カウンセリングと同じようなことだったんだと分かりました​​。その人の困りごとや表現したいことを聞き取り、時にはご本人も自覚していない想いを聴き取ったり、話しながら「これこれ!」と思いが固まって言葉になって行く─  この時間がそもそも私はとても好きでした。さらにこの頃から、イラストを使ったカウンセリングのようなことも始めました。

 

 

 

 

― 今までの経験を活かしたお仕事が始まったんですね。そんな丹波の暮らしから一転、なぜ妙義へ移住することに?

 

松崎さん:丹波に住んでいた時に、『表現アートセラピー』というものに出会いました。この世界を深堀りしていくうちに、あるセラピストの存在を知り、「この人に弟子入りしたい!」という強い気持ちが芽生えたんです。その先生が北軽井沢にアトリエを持って活動していると知って、そのあたりに引っ越そう!と。

よくよく調べてみると、元々知り合いだった『いとのにわ(キャンプ場)』の水澤家が住む妙義が北軽井沢からそう遠くないということがわかって、「とりあえず妙義に行ってみよう」ということになりました。友人からの「妙義で水澤家と一緒に何か面白いコトをしてほしい!」という勧めもあり…そんな波に乗ってここに来た感じです(笑)。

 

 

妙義小学校で行ったワークショップの様子

 

 

― なるほど、水澤さんご家族とは以前からお知り合いだったんですね。縁もゆかりもない場所へ引っ越すのは勇気がいりますが、知り合いがいるなら安心ですね。

 

松崎さん:本当に、水澤さんにはずいぶんとお世話になりました!引越してきた当初のアパート探しなども手伝ってもらって、土地勘のない私には有難かったです。引っ越してすぐに『いとのにわ』でキッズ向けの絵の具ワークショップをさせてもらったり、妙義小学校の授業で【ワクワクのキモチを描く!】というTシャツペイントのワークショップをさせてもらったり、いろんな機会や人との出会いを繋げてもらいました。その流れで、一緒に一般社団法人いとのにわプラスを立ち上げることにもなりました。

 

 

一般社団法人いとのにわプラスについてはこちら↓

子どもも大人も本気で遊ぶ!【妙義自然の家プラス】

 

 

 


 

 

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穏やかで豊かな自然に包まれて

 

 

 

 

―『表現アートセラピー』とはどんなものなのでしょうか?

 

松崎さん:表現アートセラピーは、絵を描いたり粘土や音や身体を使って感覚や感情を表現しながら、【自分の状態を感じる⇔客観的に観察する】を行ったり来たりすることで、自分自身の思考のクセ・こわばり・ざらつき・違和感などに気づき、解放に向かってアプローチしていくものです。私はクライアントさんの評価や分析をするのではなく、お話を聞き、いろいろな表現のご提案をしながら、客観的に見たことや感じたものをお伝えしています。表現と対話を繰り返しながら、自分に必要なものを深堀していくイメージです。

 

 

 

 

松崎さん:また私にとっての『表現アート』は、「本当の自分に戻っていくプロセス」かな、と思っています。自分の無意識の中にあった「恐れや不足感」、そこから生じる「人と比べる気持ち」や「良い人としての振る舞い」「自己嫌悪」「他人への要求」などに気付いて手放すことを繰り返していると、本当に純粋な子どものような、自分のカケラに出会うことができます。そのプロセスを「こわい」とか「辛そう」と言う人もいますが、私たちって一生“私”と付き合って行くので、原因不明のモヤモヤ感をずっと抱えている方が辛いんじゃないかなと思うんです。何より、それをアートで表現することの面白さが、こわさを上回ってしまうんですよね(笑)。

私自身も都合の悪い自分にたくさん出会いながら、苦い思いをしたこともありますが、今ではそういう自分に出会えることがむしろ嬉しいです。「またひとつ、本当の自分に戻れる!今回はどんな私だろう?」とワクワクする感覚です。分裂した自分と何度も仲直りを重ねていくようなイメージかもしれません。

 

 

すぐ近くに妙義山が迫る、松崎さんのアトリエ兼自宅。

 

 

― 自分の内面を見つめる…と言うと、心が落ち着くような穏やかな環境に自分を置くことが必要ですよね。ここ、妙義の松崎さんのアトリエ兼ご自宅は、お庭が広くてとても静かで、心地よい空気を感じます。このお家はどうやって見つけたんですか?

 

松崎さん:妙義にやってきた当初はアパートに暮らしていましたが、アート活動をする上でもっと広いスペースが必要だと感じ、県外の方が別荘として使っていた家を知人から紹介してもらいました。最初は、「私が家を買うなんて想像つかないなあ。。」と自分ごとではなかったんです。でも実際に家を見てみるとロケーションが素晴らしくて、“ここで表現アートを提供する自分” のイメージが湧いてワクワクしました。ひとめぼれ!って感じでしょうか。

敷地内には川もあり、四季の草花がとっても綺麗で、妙義山も間近に見えます。広い庭は手入れが大変ですが、ワークショップの際に野外で絵を描いたりもできるので、この自然豊かなオープンスペースを活用するのも楽しみです。

 

 

いとのにわで行った「KIDSおえかきワークショップ」

 

 

― 妙義の雰囲気と松崎さんの活動内容がバッチリ合っていますね。これからやってみたいことなどありましたらお聞かせください。

 

松崎さん:妙義の環境が気に入っているので、自宅のアトリエを整えてどんどん活用していきたいです!セラピーって縁遠く感じる方もいるかもしれませんが、ぜひ美容室に行くみたいに、自分のケアのために来てもらえる場所にしたいです。(個人の対面カウンセリングはすでに行っています。)

また、ワークショップや宿泊でのリトリートプログラム(しっかりと自分に向き合える時間の提供)なども企画したいですね。また、子ども〜高校生に向けたアート体験や授業(非認知能力の開発)をしたり、海外から人を迎えたり、海外に出向いていったりもしたいです。

さらに、子どももですが、特に大人の「ワタシにはデキナイ」を解いていけるようなイベントをやっていきたいです。人の力、創造性って本当にすごいんですよ!​

 

― 楽しみにしています!

 

 

 


 

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〈今後のワークショップ予定〉

 

5/28(火) 【小さなワークショップ アート瞑想】 10:00-12:00 3,300円

5/29(水) 【小さなワークショップ アート瞑想】 13:00-15:00 3,300円

6/23(日) 【初めての方でも参加できる 表現アートで自分を知るワークショップ】 13:00-18:00 7,150円

 

 

WEBサイト(https://saicololo.com/)

Instagram(@saika.draws)

 

 

 


 

 

いかがでしたか?

 

今までは「住むところにこだわりはなかった」と自由に暮らしていた松崎さん。

妙義に家を買い妙義に暮らしてみると、自分のココロがとても安定していることに気づいたそうです。

 

ニコニコと明るい笑顔でお話をする松崎さんは、とてもチャーミングでした。

これから松崎さんが妙義でどんな活動をしていくのか、とっても楽しみですね。

 

(マツオ)

 

 


 

 

 

子どもも大人も本気で遊ぶ!【妙義自然の家プラス】

 

【地域おこし協力隊】丸山 智美さん

 

アニマルアーティスト CHISAさんの妙義暮らし