さて、問題です! 富岡市には現在、何名の地域おこし協力隊員がいるでしょうか?
ーーー正解は「3名」です。 みなさんがそれぞれの得意分野を活かしながら、精力的に活動を行っています。
どんなことをしているのかな?と疑問に思った方は、
富岡市ホームページの「地域おこし協力隊」隊員の紹介 と、まゆといとの過去記事もチェックしてくださいね。
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今回ご紹介する隊員の丸山智美さんは、富岡シルクに関するお仕事をしているようです。どんなお方なのか、気になりますよね。
ということで丸山さんに会うため、富岡シルク関連事業を手掛ける「一般社団法人 富岡シルク推進機構」の事務所がある、旧韮塚製糸場へ向かいました。
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【旧韮塚製糸場】はどんな場所??
富岡製糸場の正門から約40mの場所にある旧韮塚製糸場。
明治初期に建てられた民間の製糸場としては、県内に唯一現存している建物です。
創設者の韮塚直次郎は、富岡製糸場を作るための資材調達を任され、当時は貴重だったレンガ製造も請け負った人物。
そんな韮塚直次郎が明治9年に富岡製糸場を模範として建設したのが、韮塚製糸場なのです。
建物内部には展示スペースもあり、復元された越屋根(こしやね)は美しく、一見の価値あり。また、富岡製糸場見学の自動券売機、お手洗い、自転車駐輪場も整備されています。
ぜひ皆さんも足を運んでみてくださいね♪
【旧韮塚製糸場】
・営業時間 9:00~17:00
・入場無料
旧韮塚製糸場を見学した後は、いよいよ丸山さんとご対面です!
【丸山智美(まるやまともみ)さん】
群馬県前橋市出身。県内の高校卒業後は都内の美術大学へ進み、東京・イギリス・大阪・兵庫・ 埼玉で暮らしながらアートやデザインの仕事に就く。2023年9月から富岡市の地域おこし協力隊に就任。
インスタグラムでは富岡シルクや富岡暮らしについて発信しています。⇒マルヤマ隊員 @hype_tomioka
シルクが紡ぐご縁に導かれて
― 丸山さんは現在、富岡市でどんな活動をしていますか?
丸山さん:富岡産シルク製品のPR活動や養蚕についての情報発信をしています。 お蚕のシーズン中は実際に養蚕農家さんのお手伝いをしながら、作業風景の動画を撮って記録したり、私が感じたことをSNS等でお伝えしています。
私は前橋で生まれ育ったんですが、富岡ほど養蚕業が盛んな地域ではなかったので、今も昔ながらのやり方でお蚕を育てている様子を見られることが新鮮でした。さらに養蚕業を担っているベテラン世代の方がとっても元気なことが嬉しくもあり、その反面、この技術を若い世代に継承していけるよう道筋を作ることも大きな課題だな、、と実感しています。なので、富岡産シルクの魅力をより多くの方へ伝え、その認知度を高めてもらえるように事業ブランディングをしていくことも私の使命ですね。
養蚕農家の金井一男さん。今も現役でカッコいい!〈丸山さん撮影〉
― 日本国内にとどまらず、世界にも飛び出し精力的にアート活動をされている丸山さんですが、なぜ富岡市に移住を決めたのでしょうか?
丸山さん:振り返ってみると、学生時代からアートやデザインを学び、さらにイギリスでは映像関係の学校にも通い、様々な人種や年齢の人たちと切磋琢磨する日々を送るなかで、ずいぶんとタフになっていました。今までの経験から「私はどこでも生きていける」、そんな自信もつきました(笑)。今の時代、パソコンがあれば都会に住んでいなくてもアートやデザインの仕事ができますし、ここ数年「田舎暮らし」が注目されているので、群馬の田舎に住むのもいいかな?と、そんな感じで。。。
― そこで富岡市にやってきたのですか?
丸山さん:「群馬といえば富岡製糸場!シルク製品!」と思い浮かび、私の得意分野のアートやデザインでできることはないかな?と考えました。そこで富岡シルク推進機構に連絡したところ、担当者の方が「製糸場150周年の記念に何か作りませんか?」と提案をしてくれたんです。「それなら是非やらせてください!」ということでトントン拍子に話が進んでいき、富岡製糸場開場150周年記念のシルクバンダナ【Paul&Eiichi】をデザインしました。
そんなご縁もあって『富岡市地域おこし協力隊』の存在を知り、協力隊員として富岡に移住することとなりました。今までは自分のために生きてきた半生でしたが、これからは地域や地元に貢献したいな、そんな気持ちも芽生えてきた矢先の出来事でした。
丸山さんデザインのシルクバンダナ【Paul&Eiichi】は、富岡製糸場またはオンラインショップで販売中です。
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アートの道を駆け抜けた青春時代
― 行動力がある丸山さん。子どもの頃はどんなお子さんだったのでしょう?
丸山さん:物心ついた時から、何かを「やらされる」ことが大嫌いな子でした(笑)。みんなと同じことをしないといけない、ということが苦痛でしたね。なので早いうちから自己の確立ができていたと思います。また幼い頃から絵を描くことが大好きでした。高校生の頃はすでに美大に進学することを決めていたので、予備校でデッサン漬けの日々を送りました。絵を描くことに情熱をかけた青春時代です。
運動も嫌いではなくて、中学ではバスケットボール部に入り、高校・大学、さらに留学先のイギリスでもバスケは続けていました。カラダを動かすことも好きでしたね。
― 留学先のイギリスではどんな毎日を送っていましたか?
丸山さん:およそ9年間イギリスに留学していたんですが、映像の勉強のために通っていた『ロンドン・フィルム・スクール』では舞台セットや美術道具の制作をすることが多くて、材料の調達などにずいぶん苦労しました…。映画の小道具って本当に色々なものが必要で、ときには「消火器が必要だから用意して!」と言われ、近所の消防署に電話して使用済みのものを譲ってもらったり。コミュニケーション能力や交渉術が、ずいぶんと鍛えられましたね。
それから、日本の学生時代にお寿司屋さんでアルバイトしていた経験があったので、イギリスの日本食レストランでは即戦力として雇ってもらえ、まかないのお寿司を食べていました。毎日サーモンロールが続くのはツラかったですが(泣)。
ロンドン、テムズ河沿いに建つ複合施設 OXO Tower(オクソタワー)〈丸山さん撮影〉
― 若い時に海外暮らしをすると、サバイバル能力も身につくんですね!もっと色々なお話を聞きたいです。そんな丸山さんにとって、富岡での暮らしは、いかがですか?
丸山さん:学生時代とは打って変わって、今は穏やかな毎日を送っています。わが家には愛犬が二匹いるので、犬のお散歩は日課です。富岡は住みやすい街で、散歩しながら眺める西上州の山並みは本当に美しいですよね。びっくりしたのは、小学生からお年寄りまで、すれ違うみなさんがきちんと挨拶をしてくれること。今まで暮らした街では知らない人とあいさつを交わす風習がなかったので、新鮮です。この地域の人たちは優しくて感じが良いですね。
― これからやってみたいことがあればお聞かせください。
丸山さん:富岡は自然豊かでとても良いところ。ここにアートのエッセンスが加われば、もっと魅力的でおもしろい街になるはず…という思いもあり、富岡でのアート活動を盛り上げていけたらいいなと考えています。私一人ではたいそうなことはできないので、みんなを巻き込んで楽しみながら、アートがあふれる街になったら嬉しいです。もちろん、富岡シルクのPRにも力を入れて、その魅力を伝えていきたいですね。
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丸山さんは地域おこし協力隊としての活動の他に、ご自身のアート活動にも力を入れています。個人的には九谷焼の箸置き(Tubbies)に見入ってしまいました!
丸山さんの作品が気になる方は、ぜひこちらをチェックしてください♪
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Maruyamart – Art & Design for Abundance
初めてお会いしたにもかかわらず、前から知っているかのように気さくにお話しをしてくれた丸山さん。
彼女の作品を見ているとワクワクして楽しい気分になりますが、それを生み出している丸山さんご自身も、ユーモアあふれる楽しい方でした。
今までの様々な経験を活かし、どんなアクションを起こしてくれるのか。丸山さんのこれからが、とっても楽しみですね。
(マツオ)