私とさくらさんが出会ったのは、今から12年くらい前。ヨガクラスの生徒とインストラクターとしてでした。
どっぷりと地域に溶け込み、学校や地域の様々な役割をこなし、気になる事・やりたい事をどんどん行動に移していくさくらさん。
まさか他県から移住されていたなんて、はじめは全くわかりませんでした。
今回は改めて、富岡市に住むようになったきっかけや、現在の暮らしについて感じる事、今後の事などを聞いてみたいと思い、お話を伺ってきました。
【千葉 さくら(ちば さくら)さん】
愛媛県出身。2003年に夫の千葉 圭さんと共に富岡市妙義町へ移住。その後夫婦で妙義町にてリラクゼーション&ヨガ『ボディセラピー然』を開業。プライベートヨガや市のヨガ講座、子育て支援の講座、馬ヨガなど、幅広い層に向けてヨガインストラクターをしている。地域の方々の協力のもと、妙義町上高田にて家族の状況に応じて3回引っ越しを行い、現在の住まいに落ち着く。7人家族。
〜これまでの居住地域〜
愛媛県 → 千葉県(大学)→ インドネシア(大学1年間休学)→ 千葉県(大学復学)→ アジア各国(タイ、インドなど)→ 帰国後、種子島(3年間)→ 群馬県富岡市妙義町(現在に至る)
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アジア各国の旅から富岡市妙義町への移住。そして里親のこと。
ー さくらさんは様々な地域に住まれていたイメージがありますが、富岡市に移住する前はどのような暮らしをされていたのでしょうか?
さくらさん:愛媛県で生まれ育って、大学進学の為に千葉県に住みました。その後、大学とは全く関係はないのですが、インドネシアのバリ舞踊に魅了されてしまい、インドネシアのバリ島にて1年間バリ舞踊を学びました。その後、大学に復学して卒業し、またアジア各地を巡る旅に出たんです。
インドでヨガに出会い、タイでは今の旦那さんの圭さんに出会いました。タイでは英語が通じず、全くタイ語がわからなかった私は現地の食堂でご飯を頼むのも大変だったのですが、そんな時にタイ語がペラペラで現地の人のような圭さんに助けてもらったのが出会いのきっかけです。
ー そうだったのですね。海外から帰国後、どのように富岡市妙義町まで辿りついたのでしょうか?
さくらさん:帰国後に圭さんに連絡したところ、圭さんは都内のおばあちゃんの家にいて、私もたまたまその時に都内にいたんです。そこで再会すると、圭さんが「種子島にいる友達のところへ行ってしばらく生活する」と言うので、私も種子島に行って一緒に暮らすことになりました。その当時、今で言う「移住コンシェルジュ」のような地元の方に家などを探してもらい、私は行政関係の仕事に、圭さんは観光業のホテル関係の仕事に就きました。
その後入籍し、種子島で3年間過ごしていたのですが、バリにいた頃はバリ舞踊の後に気軽にバリ式マッサージが受けられたこと、それがとっても気持ち良かったことが忘れられなくて。日本でもバリ式マッサージが気軽に受けられるお店を自分たちでやりたいと思い、2人でバリに行く決心をしたんです。
ただその当時、種子島には猫が沢山いて、私たちも捨て猫を2匹飼っていました。バリに行っているあいだ、誰か猫を預かってくれる人はいないかと、全国の友達に声をかけて探しました。すると、富岡市妙義町に住む圭さんの友達が快く引き受けてくれたんです。
数か月間のバリ式マッサージの勉強後、帰国して友達に連絡したところ、「これから住む場所どうするの?」という話になって。友達の家や妙義地域を何度か訪れているうちに、地域の方々とも仲良くなって、とても親切に空き家を探して下さり、トントン拍子に話が進んで家が見つかったんです。そこで私は「バリ式マッサージ」、圭さんは「タイ式マッサージ」、そしてヨガのインストラクターの仕事を始めました。
富岡市に住んでお店を始めるなんて帰国前は全く考えていなかったのですが、「ここで始めるのもよいかなー」という感じで富岡での暮らしが始まりました。
とても落ち着いた雰囲気のゆったりとした店内
ー すごい!!たまたま預かってもらった猫から富岡市へのご縁が繋がったとは、偶然のようで必然のような流れですね。現在の「富岡暮らし」は、いかがでしょうか?
さくらさん:その後子どもも産まれて家族も増え、東日本大震災による原発事故があり、「今の生き方でいいのかな」と、これまでの人生について深く考えるようになりました。そして、「人の為に何かをしたい」という気持ちがより一層強くなりました。
ヨガとマッサージを始めたのも「日々の疲れを癒して欲しい」という想いからだったのですが、その当時ニュースなどで子どもへの虐待のニュースを聞く度に、夜も眠れなくなるくらいに気持ちが落ち着かなくなり、瞑想をして心を落ち着かせる日々でした。
子育て支援の「お寺ヨガ」。“赤ちゃんが泣いても大丈夫” と、ゆっくり進めるさくらさん。
さくらさん:もっと子どもに関わる事、児童福祉に関わる事で何か自分にもできないかと考え、たまたま10月で児童館などのポスターで目にしていた厚生労働省の『里親月間』を思い出し、圭さんに相談しました。同じポスターを圭さんも目にしていたのか「俺もやりたいと思っていた!時間は有限なので、できる時にやろう。やるなら早くやろう」となり、子どもたちにも相談したところ、賛同してくれました。
その後、すぐに行政に里親に関する話を聞きに行き、認定を受け、里親登録をしました。最初は「まずは登録だけでも」という話だったのですが、認定された年に子どもたちを預かるようになりました。
自分1人ではできないけれど、園の先生方、児童館のスタッフの方々、地域の人たち、子ども食堂、また沢山の大人が関わってくれる地域のイベントがあり、とっても助けられています。
社会資源を利用させてもらいながら、子どもを育てていく。それってとても素敵な事だなと思います。妙義町は親切な方が、ここにもあそこにも、びっくりするほど沢山いるんです。
地域住民が交流できるイベントも盛んな妙義地区。⇒ 過去記事「妙義フェス」
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【里親についてのお問い合わせ】
富岡市役所では、毎年10月の「里親月間」の際に、西部児童相談所が開催する「里親相談会」を実施しています。詳しくは、富岡市を管轄している西部児童相談所までお問い合わせください。
●里親についての問合せ先 ⇒ 児童相談所一覧 − 群馬県ホームページ
●群馬県西部児童相談所の紹介動画 ⇒ 群馬県オフィシャルYoutube「tsulunos」
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ー 最後に、今後やりたい事や、こんな風に暮らしていきたいという希望について教えてください。
さくらさん:里親になってもうすぐ5年目になります。現在の住まいは「ファミリーホーム(家庭環境を失ったこどもたちを養育者がその家庭に迎え入れて養育する家庭養護)」ができるように建てたので、今後は周りの方々に協力して頂きながら少しずつ体制を整えて、里親を必要としている子どもをもっと預かることができたらと思っています。
また、情報過多の時代に生きる子どもたちに、「周りに流されない。ぶれない。」という、自分自身が経験を通して学んだ “生き方のセオリー” を伝えていきたいと思っています。
※後日、『ファミリーホーム 妙義の家』が開設されました。
【ボディーセラピー 然】
〒370-2411 群馬県富岡市妙義町上高田37-1
不定休。毎月SNSから発信されるスケジュールをご覧ください。
10:00~20:30(最終入店時間)
● インスタグラム
☎ 090-1162-3145
※お電話でのお問い合わせの場合、マッサージ中で出られない事があります。お名前を残して頂きますと、折り返しご連絡いたします。
サロンから少し車を走らせると、妙義神社があります。
「子どもはあまり好きではないと思っていたけれど、実は子ども好きだった。ヨガもマッサージも大好きだけど、お母さん業も好きなの」と、明るく楽しくお話してくださるさくらさんの笑顔がとても印象的でした。
さくらさんの人柄と、これまでの様々な経験、そして周りの方とのご縁を大切にする姿勢が、自分のやりたい事を実現させるための良い流れを作り出しているのだろうなと感じます。
お仕事、育児家事と大変お忙しい中、「里親という存在を知ってもらえたら」とお話ししてくださった千葉さくらさん、大変ありがとうございました!!
(スズキ)