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まゆといと

2022.06.01 お店紹介、体験

古民家リノベーションのすすめ【古民家カフェ 桑庵】

「珈琲焙煎所 月とゆふづつ」を営む西尾 祐諄(ひろし)さんは、富岡市妙義町に移住して2年目。

 

この土地へ移住したきっかけは、物件との運命的な出会いからでした。

 

 

「知らない土地に飛びこんできた私を地域のみんなが受け入れてくれたことに、とても感謝しています。」

 

そう話す西尾さんは、地域の方々とのコミュニケーションをとても大切にしています。

 

 

 

移住から珈琲焙煎所オープンまでのお話は、過去記事をご覧ください。

↓ ↓ ↓

【珈琲焙煎所 月とゆふづつ】西尾祐諄(にしお ひろし)さん

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これまでたくさんの古民家のプロデュースを手掛けてきた西尾さん。

その経験を活かし、次は古民家カフェのオープンに向けて、焙煎所の北側にある古民家のリノベーションを始めているらしい――

 

 

そんな情報を耳にして、古民家好きな私は西尾さんに取材のご相談をさせていただきました。

 

 

古民家再生からカフェOPENまでに密着し、“古民家リノベーションの事例にしたい” という西尾さんの想いを、皆さんにお伝えしたいと思います。

 

 

 

どんなカフェになるのかな…

 

 

 

 


 

 

 

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「古民家の良さを生かしたカフェ&フリースペースに」

 

 

 

2021年冬。

西尾さんに、どんな古民家カフェにリノベーションをしていく予定なのかを伺いました。

 

「木材が高騰していることもあり、できるだけ古材を使用しながら進めたいと思います。古民家の2階をゲストハウスにしようとしたけれど、 耐震工事をすると古民家の良さを失ってしまうことから、それは諦めました。1階はカフェ、2階はフリースペースにして、ヨガやワークショップなどできるように考えています。

カフェは週に4日(木、金、土、日)オープンになるので、それ以外の日はレンタルキッチンのような形で使ってもらおうか…など、いろいろと考えています。いろんなお店とコラボもできたらと、声掛けも積極的にしていますよ!」

 

 

リノベーション前のようす

 

 

「珈琲焙煎所 月とゆふづつ」の店内には、親交のあるお店の手作り菓子や手芸品などがたくさん置かれ、販売されています。取材に行った時にも、何人もの方がお店を出入りしていました。ここに来ると、新たな縁に巡り合える。そんな場所でもあると私は感じています。

 

それも西尾さんの人柄があってこそ。

 

「移住してきてまだ2年だっけ?」と言われることも多いそうで、とても妙義町に溶け込んでいる印象があります。

 

 

「珈琲焙煎所 月とゆふづつ」で多くの繋がりを生み出した西尾さん

 

 

オープンするカフェではたくさんの人を巻き込みながら、楽しいイベントも開かれそう!

西尾さんに関わるみんなが、ワクワクしながらカフェのオープンを待ちわびています。

 

 

 

 


 

 

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築137年の古民家再生

 

 

蔵の屋号マークが面白い

 

 

2021年12月下旬。

明治18年に建てられた古民家の再生がはじまりました。

 

 

 

床を剝がすと、土の中から明治・大正頃のガラスの薬瓶などを発見! “赤チン”も富山の薬売りの箱から出てきたとか!?

※赤チン:赤い液体で傷の殺菌剤として使われていましたが、1970年頃に“マキロン”(当時は白チン)という透明な消毒剤が発売になり、徐々に無くなってきたようです。

 

 

 

 

土間コンクリートの打設。乾燥後に防塵塗料を塗ると、モップ掃除がしやすいそうです。

 

 

 

 

ホールも広々した空間になりそう!コラボもあるそうなので、コーヒー以外にどんなメニューが入るのか楽しみです!

 

 

 

 

大工さんや工事のお手伝いに来る方たちも、みんな地域の方々。和気あいあいと進められています。

 

 

 

 

個室に貼る檜の床材に、柿渋を塗りました。柿渋は、平安時代から染料、塗料として塗り薬としても使われていました。防水、防腐効果もあるようです。

 

 

 

 

昭和40年以前の民間電気工事の主流だった、がいし(碍子)。

※がいし:電線と支持物との間を絶縁するための器具。昔の家は天井や壁裏の空間が無く、配線を隠せるところが無かったので、 壁や天井に配線を巻きつけていました。古民家リノベーションには必需品です。

 

 

 

 

この日はちょうど壁塗り作業中だった西尾さん。

厨房内は、よもぎ色の珪藻土で優しい色合いです。この珪藻土を塗ることで、湿気取りにもなるとのこと!

 

 

 

 

玄関の天井。お蚕を乗せて育てる竹かごも、こんな素敵な使い方があります。

 

 

 

 

厨房やカウンター、ホールと・・・、素敵な古民家カフェになりそう♡

 

 

 

 

外観とお庭も。着々と進んでいます!

 

 

 


 

 

 

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「古民家カフェ桑庵」いよいよOPEN!

 

 

カフェのオープンを控えた西尾さんに、この店名に決めた理由を聞きました。

 

「この家が元々養蚕農家だったことと、私が桑を育てて桑の実(マルベリー)を収穫してジャムや果実酒を作る予定なので、『桑庵』に決めました。」

 

新しい商品が店頭に並んだり、ワークショップも始まるのかな…という予感もします。楽しみですね!

 

 

 

2022年4月16日。

プレオープンを迎えました!!

 

 

 

門から玄関までのアプローチの雰囲気が素敵です。

 

 

 

 

店内は落ち着いた雰囲気で、一段高くなっているカウンターもお洒落!
厨房内は広々していて、どんなコラボが始まるのかワクワクします!

 

 

 

 

プレオープン初日は、安中市の TWISTED BREW さん(Instagram:@Twisted _Brew)が友情出演。これからは、こんな風に様々なコラボが始まるのかな…♪

 

 

 

 

そして2022年5月7日。

「古民家カフェ 桑庵」グランドオープンです!!

 

 

「まだまだリノベーションは続きますよ〜。そこが古民家の良いところでもあるし、楽しみでもあるんです。先日は蔵から94年前の新聞を見つけて、珍しいので額に入れて飾りました。」と西尾さん。

 

 

 

リノベーション中に思わぬ発見にワクワクさせられることもあり、これからも楽しんで続けていきたいとのこと。訪れるのも楽しみになりますね。

 

 

 

 

お菓子作りも始められたそうなので、何種類か食べてみました。とっても美味しかったです♡

 

 

 

 


 

 

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古民家リノベーションのおもしろさ

 

 

私が現在住む古民家も、白アリ被害で5年前にリノベーションをしています。建て替えをせずあえてリノベーションした理由の第一には、予算的なこともありますが、“DIYを楽しみながら古い家を使い続けたい” という思いがありました。

 

新しい家をDIYするには勇気がいりますが、多少の穴あけや改造も気軽にできるのが古民家の良いところ。

 

床張りや天井・板壁などは自分の好みで工事すればいいですし、同時に電気工事を済ませられるように自分で資格を持っていればベスト。マイペースで改造工事ができます。

 

 

 

 

そうは言っても、梁や柱などの重要な構造物に関するところは、素人工事ではなく地域のプロの大工さん(建築士)にお願いすることをお勧めします。

 

 

古民家には、梁や柱の色合いや建具の作りの細かさなど、 現代の建物や建具には見られない良さがたくさんありますよ〜。

その良さを確かめに、ぜひリノベーション中の「古民家カフェ 桑庵」を訪ねてみてくださいね。

 

 

(マツモト)

 

 

 

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木の造形作家 齊藤 公太郎(さいとう こうたろう)さん

 

大切な家の将来、今から考えてみませんか。