ペットと暮らしやすい場所とは、どんなところでしょうか?犬が大好きなカネコにとって、ドッグランがあり、ゆっくり散歩ができる田舎道があり、信頼できる動物病院が近くにある富岡市は、ちょうどいい場所だと感じています。
昨年12月には、富岡市で初となる『わんこフェスタ』が開催されました。もちろん私も行きましたよ。犬と一緒に楽しめる初めてのイベントですし、たくさんの犬や愛犬家の方々に出会えるのではと、密かにワクワクしていたのです。当日は想像以上に人も犬も多く集まり、会場はとても賑やかで、存分に楽しむことができました。
このイベントを主催したのは、富岡市で動物病院の院長をされている齊藤高行さん。齊藤さんは先代であるお父さまの動物病院を受け継ぎ、今では多くのスタッフを抱え、県内外から訪れる数多くのペットの命と向き合っています。
今回は、イベントに込めた思いと、日々動物たちと向き合う齊藤さんの姿勢についてお話を伺いました。
【齊藤 高行さんプロフィール】
富岡高校を卒業後、麻布大学獣医学部に進学し、獣医師の道へ進む。卒業後は埼玉県内の動物病院で経験を積み、その後、父が開業した動物病院に勤務。約5年前に「さいとう動物病院 富岡総合医療センター」を開業。
チームで向き合うペット医療
― 獣医師を目指したのは、やはりお父さまがきっかけでしょうか?
齊藤さん:いえ、最初から獣医師になるつもりはなかったですね。周囲からの期待に反発している時期もありました。
中学生や高校生の頃、部活の朝練などで朝早く起きると、すでに父は仕事をしていました。父は獣医師ひとりで病院を切り盛りしていたので、常に忙しそうでしたね。動物が入院していることもあったので、子どもの頃に父と一緒に遊んだり出かけたりした記憶はあまりありません。とにかく忙しそうに仕事をしていました。
― それは少し寂しいですね。
齊藤さん:でも父の仕事に対する誠実さを見るうちに、徐々にその仕事に憧れるようになり、獣医師を目指し大学へ進学しました。
― 富岡へ戻り、お父さまの動物病院を継ぐお気持ちはあったのでしょうか。
齊藤さん:はい。富岡で獣医師として働きたいという思いはずっとありました。大学卒業後は埼玉県内の動物病院で勤務し、富岡へ戻ってきたのは10年ほど前になります。
戻った当時、父の病院は獣医師が一人、看護師が二人で診療していました。その頃は、父のように獣医師一人で開業している動物病院が多く、週6日勤務という働き方が一般的だったと思います。
「富岡に戻ると、力が湧いてくるのを感じます。富岡が好きなんですね」と齊藤さん。
― 前の病院から現在の場所に移転されて、大きな病院になりましたね。
齊藤さん:私は動物病院は「チーム医療」だと考えています。入院する動物もいますから、毎日一人で診察を続けるのはとても大変です。獣医師が家族や自分の時間を犠牲にすることなく働けるよう、チームで診られる医療体制を整えてきました。
また、この富岡で毎日、夜間まで対応できる病院にすることを目標にしてきました。現在、群馬県内で診療時間が最も長い病院になっていると思います。
土日祝日も通常通り診療。ペットと暮らしている人にとって、安心できる存在です。
大切なペットの命を守るため 地方でも先端医療を
― ホームページを見ると、最先端医療を行える設備があり、専門医による診療も行われているようですね。
齊藤さん:大学病院で行うような二次医療を可能にするため、専門医の資格を持った獣医師が定期的に来ています。アメリカでは獣医師の専門医制度があり、その資格を持つ先生方に診療をお願いしています。今年1月からは脳外科の診療も行えるようになりました。
また、約3年前から導入しているMRIやCTを用いて、画像診断も行っています。以前ここで働いていた獣医師が、現在アメリカで画像診断を行う専門医として活躍しているため、こちらで撮った画像を送り、治療方針などを相談しています。MRIでの画像診断は、高度な画像解析と機械の取り扱い技術も求められますが、難しい症例でも専門医と相談しながら、最善の診療を行うことができています。
― 高度医療や充実した設備は、都心部の動物病院というイメージです。富岡市で実現されたのはどのような思いからでしょうか。
齊藤さん:多くの優秀な獣医師と出会ったことで、先端医療を目指すことが私の目標となりましたし、そういった先生方にも、先端医療を行える環境を整えることを勧められました。
そして以前から直面していたことですが、ペットに難しい病気が見つかり都心の病院を勧めても、時間的・経済的な理由で通えない方が多くいました。でも諦めてしまえば命は助かりません。だったらこの場所に必要な設備を整えて、優秀な先生を招き、治療や緊急対応ができる体制を築こうと考えました。
また、実力のある先生方に院内の獣医師を指導していただけることも、大きなメリットだと考えています。
手術室(上)、CT室 (下)
― こんなに設備が整った動物病院とは驚きました。移転されて5年が経ちますが、以前と比べてどのように感じていらっしゃいますか?
齊藤さん:かなり特殊な病院となりましたので、市外・県外の動物病院から紹介を受けて治療にあたることも多くなりました。1日の診療件数は非常に多く、内容も多岐にわたります。
また夜間診療として夜11時まで救急の診療を受けていますが、こちらの診療もかなり多く、必要性を感じています。地方にこそ、こうした医療体制が必要ではないでしょうか。
犬派か猫派かを尋ねると、齊藤さんは犬派。スタッフの間でも犬派・猫派論争がたびたび起きているそうです(笑)。
― 現在病院には、スタッフの方も多くいらっしゃるようですね。
齊藤さん:外部の専門医、非常勤獣医師、パートスタッフを含めますと、現在は約60名ほどのスタッフ体制で診療にあたっております。
場合によっては3〜4人いないとできない手術もありますし、一日の診療件数が多いためスタッフにかかる負担は小さくありません。だからこそシフト調整をうまく考えて、働きやすい環境を大切にしています。父のように獣医一人で頑張る病院ではなく、多くのスタッフで多くのペットの診療を可能にしたいと考えています。
スタッフあっての病院なので、みんなが疲弊しないよう、生活の質を保ちながら働ける環境の整備を心がけています。
2階のスタッフルームには、スタッフのペットの姿も。ペットと一緒に出社できるなんて羨ましいです♪
ペットと人との交流で賑わう富岡市へ
前回の『わんこフェスタ』の様子。
― 12月のイベント『わんこフェスタ』は、とても賑やかでしたね。どういった経緯で開催されたのですか?
齊藤さん:他の動物病院の方が、医療設備や専門医の診療体制を視察に来られることがあります。その中で、ペットを介在した地域創生や保護活動に取り組んでいる獣医師とお話をする機会がありました。様々なお話を聞くうちに「私も富岡市で何かできないか」と思い、市役所の観光交流課に相談をしたんです。そこで、「ペットと暮らしやすく、人が集まるまちづくりにつながることをやってみよう」となり、イベントの開催が決まりました。
想像以上に多くの人に楽しんでいただけて、私も驚きましたね。
― 富岡市で初めての“ペットと楽しめるイベント”だったので、皆さん心待ちにしていたようですね。
齊藤さん:寒い時期だったので、どのくらい集まるのかという心配もありました。ですが富岡市は今まで動物とのイベントがなかったので、地域の人々がこうした場を求めていたのだと感じました。
イベントを通して、ペットと人との交流や啓蒙・発信ができたことは、地域貢献にもなったのではと思います。今後も継続していきたいですね。
ペット相談コーナーやフォトブース、キッチンカーなど盛りだくさんなイベントでした。
病院から広がる ペットとの豊かな暮らし
さいとう動物病院には、トリミングサロンやしつけ方教室も併設されています。
トリミングサロンでは、通院しているペットの皮膚病や心臓病などの症状を把握しながらケアできるため、安心して利用することができます。
ペットとの暮らしは、正直なところ大変なこともあります。でもそれ以上、いや、その何倍もの癒しをくれるペットは、家族の宝物です。思いがけない事故が起きたり、病気になったとしても、ペットは自分の症状を話すことはできません。そんな時、豊富な知識を持つ獣医師が近くにいてくれるのは、とても心強いことだと思います。
■ さいとう動物病院 Instagram
※ 専門医の獣医師による診療は予約制です。
富岡市では、ペットツーリズムを楽しめる施設も増えています。
「ペットとどこへお出かけしようかなぁ」と考えている皆さん、富岡市へ遊びに来て、体験してみてください。富岡市は人にもペットにも優しい、ペットフレンドリーな街ですよ。
そして、次回の『わんこフェスタ』でお会いしましょうね♪
(カネコ)


