こんにちは!まゆといと編集メンバーに仲間入りしたホシナノゾミです。
富岡市内にはどんな習い事があるのかな?
習い事って情報を入手しにくいかも。調査したら面白そう!
ということで、新連載をはじめます!
「この教室が気になる!」「私はこれを習っているよ」
「実は私、〇〇を教えています」などの情報を募集しています♪
このページのお問い合わせフォームか、インスタグラムの
メッセージをお気軽にご利用ください。
よろしくお願いします。
.
.
さて初回は、習い事の王道といえば…書道!?ということで、
国道 254 号バイパス沿い、セブン-イレブン富岡バイパス店さんスグ側にある
「永田灌櫻(ながたかんおう)書道教室」に行ってきました!
大人をメインターゲットにされている書道教室ということで、
静粛な雰囲気なのかな…と少し緊張しながら入ってみると、
先生を囲むように配置された机にまず目が留まりました。
― 先生との距離がすごく近いですね!!
永田先生:うちはバーカウンター形式ですよ。
目の前でお茶を淹れてくださり、緊張がほぐれて和やかな雰囲気に包まれました。
永田先生:書道のことを詠んだ古い漢詩にも、お茶を淹れて、香を焚いて、墨をすって心を静めて、それから紙に向かうということが書いてあるんです。
肩肘を張らずに、ゆっくり、ゆったりとした気持ちでいる方が良い字が書けるので、お茶を飲みながらお話しをする時間も大切にしています。
― なるほど。机には一通りの道具が揃っていて、すぐにでも書けそうな状況ですが、これらは貸し出しをされているんですか?
永田先生:そうです。筆は自分専用のものを用意してもらいますが、教室に置いておくこともできます。完全に手ぶらで来てもらって、書いたものを新聞紙に挟んで持ち帰るだけですね。
先生の心配りに脱帽です。生徒さんそれぞれの見本や半紙、資料をまとめたファイルの置き場までありました。
筆は先生と相談しながら購入することもできますし、自宅にあるものでも大丈夫だそうです。
中には先生がお使いになる高級な筆も混ざっていました。そのお値段にはびっくり…。
― 生徒さんは、教室でどんな作品を書いてらっしゃるんですか?
永田先生:うちでは全員同じお手本にするということは、基本的にしていません。生徒さんが好きな四字熟語を用意したり、右払いが苦手で克服したい方には右払いが多い課題にしたり、「孫が生まれたので命名を書きたい」という方がいれば、その練習をしたり。その場でお手本を書くところから見てもらい、それぞれの生徒さんにお渡ししています。ある程度上手になったら、昔の有名な人が書いた古典作品を模写することもあります。
実際に、目の前でリクエストに応えてお手本を書いてくださることに。
「何がいいですか?」と聞かれ…とっさに「令和」をお願いしました。
自宅に帰ってから「まゆといと」にすれば良かったと反省(笑)
先生が編集にも関わっている教材を使い、段や師範を目指すこともできるそう。最初は十級から始まり、一級になるまでは一年半~二年くらいが目安だそうです。(受講は希望者のみ。昇段試験で飛び級も可能。)
― どんな生徒さんが通っていますか?
永田先生:人と多く関わる職場にお勤めされている方の割合が多いですね。教室内で多少ワイワイすることはありますが、書道はやはり人に干渉されない自分の世界なので。
墨の香りが落ち着くという生徒さんも多いです。でも皆さんが感じている墨の香りは偽物なんですよ。
― えっ?偽物の香りなんですか!?
永田先生:そうですよ。イチゴの味とイチゴ味の味って違いますよね。
偽物とはどういうことなのか、この後詳しく教えていただきましたが、今回は先生のこの一言に閉じ込めておきます。私たちが感じているのは、墨の味ではなくて、墨味の味ということです。(笑)
こちらは、使うのが勿体ないほど綺麗な装飾が施された墨。先生は「これくらいなら使いますよ」とのこと。
先生の墨コレクション、100 個以上あるそうです。見てみたいですね。
こちらは先生の作品。「書いたところがしっかり黒く線が出て、じゅわ~っとフェードアウトするような微かな滲み。これが良い墨です」とのこと。墨汁で書いたものとは滲み方が全く違い、美しかったです。
「これで書くのは大変ですよ~」と大きな筆を持たせてもらいました。確かに墨を含ませたら、とっても重くなりそうです!
子どものころ、筆を綺麗に洗えずカチコチにしていた私。先生はこんなに大きな筆を綺麗に管理されていて、さすがです。
するとここで、教室に生徒さんがいらっしゃったので、お話を伺ってみました!
「教室には三年半ほど通っています。60 歳を過ぎてから書道を始めたんですが、色々と教えてくださる先生だと知り、この教室を選びました。先生には、自分が納得できる学びをもらっています。
書きたい意欲があるうちにたくさん書きたくて、自宅の暖かいところで半日くらいほけ~っと書いたりすることもありますね。」
こちらの生徒さん、先日初めて東京の展覧会に出展したそうで、とても素敵な作品を見せていただくことができました。
私も少しだけ体験させてもらうことに!
何年ぶりだか分からない筆を持ちパニック状態。書き始めると当然上手く書けず、悔しくて何度も書きたくなりました。
先生&生徒さん曰く、習い始めるとどんどん楽しくなり、自宅で書いてくる生徒さんが増えるのだそう。その気持ち、すごく分かります。
そして後から写真を見て気づいたのですが、いつも猫背気味の私の背筋が、ピンと伸びていました!書道を続けることで、良い姿勢も身に付きそうです。
正座はキツイ!無理!という方、ご安心ください。「正座椅子」が用意されていました。これを使えば足がしびれないのです。私も取材中ずっと利用していましたが、楽々でした。
― 書道に挫折したり、この世界から離れたい!と思ったことはありますか?
永田先生:辞めたいと思ったことは一回もないですね。他のことに挫折して書道を始めているので。
子どもの頃から粘土細工や工作といった立体のものづくりが好きだったので、高校は美術コースに行きたかったんですが、絵が苦手だったので入試の課題のデッサンで挫折。高校の時は建築家になりたかったんですが、「数学Ⅲ」や「物理Ⅱ」がダメで、大学に入ってまで勉強したくないな…と挫折。そんなときに、書道で大学に進学できることを知ったんです。
小学生の頃から親のすすめで書道教室に通っていて、一回も休まず通うほど字を書くのは好きでした。この道を究めようなんて考えはなかったんですが、何となくここまで来てしまいましたね。クリエイティブなことが好きで、結果的に書道だけが残ったという感じです。
書の道をただひたすらに突っ走ってきたのかな?それで挫折することもあったんじゃないのかな?なんて勝手に想像して投げかけた質問だったのですが、先生の答えは想像と全く違いました。
常に自分自身と向き合い、好きなこと、選べる道をシンプルに選択してきた結果、今の先生がいらっしゃるんだなぁと納得!
教室にお邪魔した時間は一時間半くらいだったのですが、取材というよりは先生の溢れる知識に触れ、授業を受けさせてもらったような濃厚な時間でした。
この記事では、先生から教えてもらったことの半分も書けていません!ごめんなさい。先生に直接お会いすれば、皆さんも大満足な時間を過ごせると思います!
大人になってからもらう花丸とか、久しぶりすぎて嬉しいですよ。
― 最後に、先生にとって『書道の魅力』とは何ですか?
永田先生:なんでも道のつくものは一緒だと思いますが、ここで完成、ここで終わり、ここで達成というのがないので、どこまでも続けられるのが魅力です。終わりがないから楽しく、ずっと努力もできる。それに書道をやろうと思ったら、書道だけやっていても意味が分からないこと、極められないこともあります。お茶の席ではどんな掛け軸が必要なのか、お花を飾る床の間に書を掛けるときはどんなことに気をつけなければならないか、など、周辺文化を一緒に学ばなければならないんです。熱しやすく冷めやすい僕には、広く浅く、狭く深くを同時進行でやっていけることが楽しいですね。
深イイっ!私がイメージしていた「和室で紙に向かって黙々と字を書く」という書道のイメージが、とても小さくて狭いものだったということを痛感するお返事でした。
生徒の意欲や要望に合わせ、オンリーワンの授業をされている永田灌櫻書道教室。
興味を持たれた方は、直接教室までご相談ください♪
(ホシナ)