富岡市の乗合タクシーが、2021年1月4日から『愛タク』として生まれ変わりました。
さて、一体何が変わったのかを、これまでの乗合タクシーと比較して見てみましょう。
①運行形態が変わった!
これまで:一部の地域を除き、決められた路線を決められた時刻通りに運行。
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愛タク:利用者の希望する乗降場所と時間に応じて柔軟に運行。(毎日午前8時から午後5時まで)
②予約が必要になった!
これまで:一部の地域を除き、予約不要。
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愛タク:電話またはスマホアプリからの事前予約が必要。
③市民は格安で利用できるようになった!
これまで:距離に応じて料金が上がる。
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愛タク:距離に関係なく定額。1乗車につき、市内在住・在勤又は在学者、小学生、障害者(同伴含む) は100円。その他は500円。未就学児は無料。
④停留所の数が大幅に増えた!
これまで:約130か所
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愛タク:2021年1月現在301か所。最終的に500〜600か所を目指している。
ガラリと変わりましたね。
便利になったように見えますが、実際はどうなんでしょうか?
まゆといと編集部で利用して確かめてきました!
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乗ると決めたらまず予約!
愛タクの停留所は緑色の看板が目印。停留所以外の場所での乗降や、未就学児単独での乗車はできない。
停留所で待っていても愛タクは来てくれません。運良く来たとしても、予約していなければ乗せてもらえません。乗降場所と時間が決まったら、まずは予約です!
予約は利用希望日の5日前から可能で、利用希望時刻の20分前までには済ませる必要があります。予約方法は、電話予約、市公式LINEからの予約、アプリ予約のいずれかです。
私たちは利用日の前日に、スマホに予約アプリをダウンロードして予約を行いました。普段スマホを使っている人であれば特に難しい操作もなく、短時間で予約ができました。
予約電話番号とスマホアプリのQRコードは停留所にも記載されているので、急に乗りたくなった場合はその場で予約してしばらく待てばOK。
では、電話予約・市公式LINEからの予約・アプリ予約それぞれの特徴を見てみましょう。
【電話で予約】
・受付時間 7:00〜18:00
・時間帯によっては混雑して繋がりにくいことがある。
・車いす対応車両の予約申し込みができる(利用日の前日まで)。
・気になることがあればその場で聞くことができる。
【市公式LINEからの予約】
・24時間いつでも予約ができる。
・市公式LINEアカウントを友だち登録していれば、大きなメニューボタンから予約できる。
・あらかじめ登録していおいた停留所を選ぶだけなので簡単に予約できる。
【スマホアプリで予約】
・24時間いつでも予約ができる。
・マップで停留所の場所を確認しながら予約できる。
・マップで乗車予定の車両の位置が確認できる。
・ボタン一つで電話での問い合わせも可能。
車いす対応車両は必ず電話での予約になりますが、それ以外であれば、どれでも使いやすい方法で予約をするといいと思います。
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どんな経路になるかは乗ってみないとわからない!
現在使われている車両は、7人乗りミニバンが6台(うち車いす対応車両は2台)。乗客は1台に5人まで乗ることができる。
予約した時間ぴったりに愛タクがやってきました!
乗車時、私たち以外のお客さんはゼロ。ですが途中で、目的地の違う2人のお客さんが乗車しました。相乗りです。その時にどのように運行したのかというと…
図の【B】のように、他のお客さんを乗せたり降ろしたりするため、迂回をしながら目的地へ向かいました。それほど大きな遠回りではありませんでしたが、直行する場合に比べて到着までの時間は長くなりました。
どんな経路になるかはその時の予約状況によって変化するので、時間に余裕を持って利用する必要がありますね。
出発時刻ではなく到着時刻を指定して予約をすることもできるので、予定があって遅れたくない場合はそちらの方がいいかもしれません。
情報通信技術を活用した最適な配車計画が行われ、ドライバーのタブレットには利用者・乗降場所・経路などの最新情報が表示される。
それにしても、いろんな人の予約を組み合わせて、複数の車両を使った配車計画を瞬時に導き出すなんて、今は便利なシステムがあるんですね〜。
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乗り心地は??
富岡市内どこまで乗っても定額料金。妙義ふれあいプラザもみじの湯まで利用する人も多いそう。
今回、上州富岡駅から妙義神社まで向かった私たち。バスに乗ると酔ってしまうというメンバーも、乗用車の愛タクでは酔わなかった!と話していました。
ただ乗ってみて思ったのは、相乗りで同時に5人が乗車した場合、体の大きな人や荷物がある人は、窮屈に感じるだろうなぁということ。
座席やトランクに入り切らないような大きな荷物がある場合は、事前に伝えておいた方がいいでしょう。
車いす対応車両には、車いすに座ったまま乗車できる装置がついている。
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支払いはPayPayでもOK!本当に100円でいいの…?
料金箱は運転席の横に設置されている。
支払い方法は現金またはキャッシュレス決済のPayPayで、降りる時に支払います。
ドライバーさんに「PayPayで」と伝えると、QRコードを出してくれました。
ここで注意!100円で利用する場合、初回は身分証明書を提示する必要があります。その際に、100円で愛タクが利用できることを証明するカードがもらえるので、次回からはそのカードを提示すれば大丈夫です。
市内在住・在勤又は在学者、小学生、障害者(同伴含む) は100円。その他は500円。未就学児は無料。
それにしても一律100円でやっていけるの??と心配している人も多いのではないでしょうか。そのことについて市役所の担当者に聞いてみたところ、このような回答がありました。
「黒字化は厳しい状況ですが、富岡市としては、高齢者の方などが気軽に出かけられる環境を構築し、外出機会の増加による健康増進、地域コミュニティや商店街の活性化等につなげていければと考えています。」
愛タクは単なる移動手段ではなく、健康、福祉、教育、まちづくり、観光、環境など様々な分野にプラスの影響をもたらす存在だと考えられているんですね。大きな課題の解消になるのなら、いい税金の使い道なのでは…と思いました。(これを機に、税金がどう使われているのかについてもっと目を向けなければ!という気持ちにもなってきました。)
コロナが落ち着いたら、さらにこんな人たちが増えそう。
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素朴なギモン。Q&A
Q. 現在はどのような使い方をする利用者が多いですか?
A. 病院や温浴施設まで利用する高齢者の方や、通勤・通学等で駅まで利用する方が多いです。病院が開いている平日の午前中に最も利用者が集中しています。
Q. 誰が運転しているんですか?
A. 上信ハイヤー株式会社と日本中央交通株式会社の各社のドライバーが担当しています。
Q. 停留所が増設されるのはいつ頃ですか?
A. 第1弾として今年の4月を予定しています。その後も要望があれば随時検討していきます。
Q. 車両の台数はこれから増えますか?
A. 利用が多くなり、予約が成立しにくい状況が多々発生する場合は、車両の増加を検討していきます。
Q. 運行時間はもっと長くなりますか?
A. 要望が多々あれば検討していきますが、民業圧迫を避けるため、運行事業者と相談しながらの対応になります。
「愛タクは公共交通の空白地域をなくしていきます!」
愛タクの予約電話番号、アプリのダウンロード先、アプリの使い方動画、乗り方ガイド(ダウンロード)、愛タクマップ(ダウンロード)、問合せ先については下記のページをご覧ください。