富岡市の暮らしと移住のWEBマガジン
まゆといと

2020.05.07お店紹介、体験

桑和紙づくりを体験してみた!

昔から養蚕業が盛んだった富岡市。

お蚕のエサと言えば、桑(くわ)の葉っぱですよね。

 

そのため市内では、桑畑や野生化した桑の木をいたるところで見かけます。

学校帰りに道端で “どどめ” を取って、食べていた人も多いのではないでしょうか?( “どどめ” は桑の実を指す方言です)

 

 

 

 

ではこの桑の木で、和紙が作れることは知っていましたか?

 

こちらのインタビューの最後の方に、その話題がチラッと登場しています。

 

安西飛鳥さん・中島直紀さん

 

今まで捨てられていた桑の枝を活用した、”桑和紙”の商品化。

一体どのように作られているのか、気になりますよね。

 

 

そこで今回、安西飛鳥さんが勤務しているパーソルサンクス株式会社の「とみおか繭工房」にて『桑和紙づくりワークショップ』が行われると聞き、お邪魔してきました!

(この取材は2月下旬に行われたものです。)

 

 


 

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桑から和紙を作ってみよう

 

 

和紙の原料として一般的に使われているのは、「楮(こうぞ)」という植物。楮は、桑と同じ「クワ科」の植物なんです。

桑も昔は和紙の原料として使われていましたが、現在は楮に少し混ぜる程度で、桑を主原料にした和紙はほとんど存在していません。

 

ですが、とみおか繭工房では改良に改良を重ね、手作業で桑100%の和紙を製造し、商品化することに成功しています

 

手作業での和紙づくり。一体どれだけの手間がかかるのか、体験をしながら学んでいきたいと思います!

 

 

とみおか繭工房アネックスにて。のれんも桑和紙でできている。

 

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作り方① 桑の枝を切り、煮てやわらかくする。

 

 

まずは、桑の枝を、20cm程度にカットしていきます。

 

体験では真っ直ぐな枝の状態から用意してもらいましたが、実際は桑園から切ってきた長い枝から、葉や小枝を綺麗に取るところから始めないといけませんね。

 

切る時は少し力が必要なので、怪我をしないように注意!

 

 

 

続いて、”芽かき” を行います。

芽や枝分かれした部分を取り除く地道な作業です。

 

「芽がちゃんと取れているかチェックします!」と安西さん。芽が残っていると、後の作業に響いてしまうそうです。

 

また、ここで取った芽は普段は捨てずに、シルクの染色に使うそう。綺麗な黄金色に染まるんですって!

 

ここまでできたら、枝が浸かるくらいのたっぷりの水に重曹を入れて、枝の色が真っ茶色に変化するまで煮ます。

 

 

すでに煮てあるものを用意してもらいました。

 

 

とみおか繭工房では、大きな寸胴に枝9kg、水18L、重曹1kgを入れて50分くらい煮るそうです。

 

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作り方② 枝の皮を剥き、原液を作る。

 

 

 

煮た枝に切り込みを一本入れると、あら不思議。こんなに気持ちよく皮が剥けるんです!

これにはみなさんビックリしていました。

 

 

 

次に皮の茶色い部分(表皮)をヘラで削り取り、白っぽい部分だけにします。

この時に茶色い部分が残っていると、きれいな和紙になりません。

 

 

和紙になるのはこの部分だけ!

 

 

体験ではこの先の工程は省略しましたが、安西さん曰く「シミやホクロのような変色部分も、1枚1枚チェックして取り除きます。和紙づくりの中でこの作業が一番大変で、時間がかかります。」とのこと!

 

丁寧にシミとホクロを取り除いた原料は、次に「ある天然のもの(企業秘密)」を加えた水で煮ます。(一般的にはソーダ灰などを加えますが、とみおか繭工房では、より安全に作業をするために代替品を使用しています。)

 

煮た後は、水にさらして、2日間かけて不純物を洗い流す作業へ。

よく洗えば洗うほど真っ白な和紙になりますが、こちらではあえて桑独特の薄茶色を残しているそうですよ。

 

 

洗ってほぐした繊維と水をミキサーで撹拌した原料液。

 

 

洗い終わった原料は手でよくほぐし、50gの原料に800mlの水を加えてミキサーにかけます。ミキサーで砕ききれなかったダマを取り除いたら、ようやくトロトロとしたあの液体の完成です!

そこに水を足して合計6.5Lにしたものが、ハガキサイズの和紙5枚分の原料液になります。

 

 

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作り方③ 木枠で紙を漉き、乾かす。

 

 

原料液を手で混ぜて均一にしてから、

網を張った木枠(下)と網なしの木枠(上)を重ねたものですくいます。

 

持ち上げてから軽く揺らすと綺麗になるそうです。

 

 

 

水気を切ってトレイに置いたら、ヘラで全ての縁をおさえて…

 

 

 

上の木枠を外します。

縁がガタガタ?と思っても、それが味わいになるので気にしなくてOK。

 

 

 

不織布の上にひっくり返して、網の上からタオルで軽く水気を取ります。

上のすみっこに「フッ」と息を吹きかけ、原料を下に落としながら木枠を持ち上げて…

 

 

 

網から不織布に移しました。

ちゃんと和紙っぽくなっていて、ちょっと感動します!

 

 

 

これをベニヤ板にペタッと貼り付けて、天日干し。

しっかり乾燥すれば、手漉き桑和紙のハガキの完成です!

一枚一枚に個性があっていいですね〜。

 

とみおか繭工房では、木枠も様々な大きさで手作りしていて、全ての工程を障がいのある社員さんらが行っています。

 

「桑茶を混ぜたり、外皮を砕いて混ぜたり、食紅を入れてアレンジするのも楽しいですよ。」と安西さん。

 

ぜひみなさんも、ご家庭で挑戦してみてください!

 

〈参考サイト〉

群馬県ホームページ|家庭で出来る「桑枝」を原料とした和紙の作り方

 

 

 

☆ワークショップの様子を動画にまとめました(約2分)☆

 

※今回取材したワークショップは、市外・県外の方向けに、富岡市を知ってもらうきっかけとして実施されたものです。(Gmoto project「富岡シルクをシル!フィールドワーク」)

 

 


 

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広がる桑和紙の可能性

 

プリンターでの印刷にも対応したA4サイズの桑和紙も。

 

 

とみおか繭工房では、様々な大きさと薄さの手漉き桑和紙を製造しています。

桑和紙を使った雑貨やアクセサリーも、とっても素敵ですよ!

 

 

桑和紙を使ったアクセサリー。素朴で優しい印象の和紙が、オシャレに変身。

 

 

これらの商品は、とみおか繭工房に見学に行くか、以下の店舗で購入できます。

・道の駅みょうぎ(販売中)

・道の駅しもにた(販売中)

・お富ちゃん家(近日販売予定)

・ファームドゥ食の駅前橋吉岡店(販売中)

※その他取扱店拡大中

 

 

障子のアクセントにも。

 

 

たくさんの手間と時間をかけて作られているということ。

今までは捨てられていた市の資源から生まれているということ。

私はそこに大きな価値を感じています。

 

富岡の新たな産業として、これから盛り上がっていく可能性大!

みなさんも一緒に、桑和紙の可能性を探ってみませんか?

 

(ナカヤマ)

 

 

〈協力〉

パーソルサンクス株式会社  とみおか繭工房

Gmoto project

 


 

シルクマスクも製作・販売中

とみおか繭工房では、国産シルクを使用した布マスクも製作しています。

肌に触れる部分に国産シルク100%の生地を使用。紐が何度でも調節可能で、鼻の部分にはノウズフィッターが入っています。
中にフィルターも入れられる構造です(フィルター2枚付き)。

マスクは手洗いして何度も使用することができます。

現在、道の駅みょうぎ、道の駅しもにた、ファームドゥ食の駅前橋吉岡店にて販売中です。


《桑和紙、シルクマスクのお問い合わせ》
とみおか繭工房 TEL. 0274-73-3350