2019年から2021年の3年間、まゆといとの《今月のハマダさん》という連載で、山々に囲まれた古民家でののどかな暮らしぶりを紹介してくれたハマダさん。
記憶に残っている方も多いと思いますし、今もInstagramでその活動を追いかけているファンの方もいるのでは?と思います。
ハマダさんは移住定住コンシェルジュ退任後、どんな活動をされているのでしょうか?
その後もハマダさんを追いかけ続けているホシナが、ワークショップ体験をさせてもらったりしながら、深堀りしてきましたよー♪
【濵田 綾乃(はまだ あやの)プロフィール】
2016年、夫婦で京都から富岡市へ移住。富岡市地域おこし協力隊や富岡市移住定住コンシェルジュとして活動後、現在は染織作家として活動中。養蚕農家で働きながら、富岡市内や近隣地域で織物ワークショップを開催したり、『手仕事の会』を主催している。
染織作家のハマダさん
生糸から糸を作り、草木で染め、着物と帯を織る仕事を20代からされていたハマダさん。富岡へ移住後は染織から離れて活動していましたが、1年程前から染織作家としての作業を再開したそうです。
ハマダさん:染織作家の中には購入した糸を使う方もいますが、私は糸から作るのが好きです。個性的な糸を効果的に使い、立体感のある布に織り上げることを心掛けています。
今の目標は、私の織った振袖を富岡市内の呉服屋さんにレンタル衣装として置いていただくことです。富岡に愛郷心を持つ若い人たちの人生の節目に、私の織った着物が花を添えることで、移住者として私を温かく迎え入れ、今日まで見守り応援してくださった富岡の皆さんに恩返しできたらいいなと思っています。
ハマダさんが織った振袖を着られる世代の子が羨ましい!その晴れ舞台を見る日が待ち遠しいです。
そしてこんな吉報も入ってきました!
日本民藝館展に出品した帯が入選し、現在開催中の特別展で展示されているそうです。
ハマダさんが丁寧に織られた帯、見てみたいですね。
〈2024年度日本民藝館展-新作工藝公募展-〉
場所:東京都目黒区駒場4丁目3番33号
期間:2024年12月7日(土)〜12月22日(日)
手仕事による伝統的な工芸品を中心に、日本各地で作られた新作工芸品の数々を展示・販売する、恒例の新作工芸公募展。出品作:陶磁器・織物・染物・木漆工・ガラス工・紙工・金工・竹工・藁工 他。入館はオンラインによる日時指定・事前予約制→ https://mingeikan.or.jp/exhibition/special/
大人のための織ワークショップ
染織作家として制作活動をする傍ら、小さな織機を使ったワークショップも定期開催しているハマダさん。今回の記事では、そちらをメインにご紹介します。
ワークショップでは、ハマダさんが染めた羊糸を自分好みにチョイスして、コースターやポットマットが作れるんです♪
所要時間が3時間程かかるので、「そんなに長いワークショップは耐えられないかも」と心配される方もいるようですが、実際にやってみると「時間が足りない!」と感じる方がほとんどとのこと。
5月〜10月は養蚕農家でも働いているため開催できる時期が限られていますが、12月と1月は開催予定!興味がある方はハマダさんのInstagramを要チェックです!
【手仕事の会】おだやかな古民家でモクモクと。
織ワークショップに参加して織物の沼にハマった方は、【手仕事の会】への入会を検討してみてもいいかもしれません。2025年春まで、メンバーを追加募集しています(状況によって変わります)。
入会したいけれどワークショップに参加できない!という場合は手仕事の会に体験参加もできるので、相談してみてくださいね。
【手仕事の会】とは?
リノベーションした古民家でゆったりと、織を中心とした手仕事が楽しめます。初めの数カ月で基礎を学んだら、それぞれが作りたいものを、ハマダさんにアシストしてもらいながら作ることができます。
ハマダさん:私がこれをやりましょう!と皆さんを引っ張っていく会にはしたくないんです。この会を入口にして、手仕事の楽しさを知り、それぞれが深めたいところを追求していく会にしたいと思っていて。メンバー自身が好きな面を追求することで、メンバー同士で教え合ったり、私自身も勉強になったり、お互い成長できる場になってきました。
見学していると、皆さんが思い思いに過ごし、楽しんでいる様子がひしひしと伝わってきました。過ごし方、ペースは人それぞれですが、ハマダさんが提供している「場」と「時間」が皆さんにとって貴重なものになっているようです。
羊毛から糸を紡ぎ、ミモザや胡桃、アボカド、コーヒー、アルミ、鉄、ミョウバンなどを使って染色するメンバーも。
中には、草木染めにハマり、ご自分で糸を紡いで染色している方までいてビックリ。
お話を聞くと、「昔はデパートでの買い物がストレス発散でした。セールのタイミングには必ず行ったりして。でもものづくりにハマった今は、物欲が減って、デパートにも全く行かなくなりました」と、ご自身の変化を教えてくれました。
とても複雑な柄を織っている方は、「自分で図面を描いてみたら、理解度が上がったよ!」と他のメンバーに織り方を伝えていました。
皆さんにもお話を聞いてみると、その一言一句から、手仕事の会が本当に好きなことが伝わってきました。
「技術の習得のために来ているんじゃないんです」
「何気ない会話をしながら作業して、それがストレス発散になります」
「ちまちまモクモク。集中して喋れなくなる時間もいいんです」
「半日じゃ短すぎて物足りない。お昼をもって一日中じゃなきゃ!」
ハマダさん:この会が皆さんにとって、自宅と職場以外の居場所になればいいなと思っています。手仕事をするという目的があるので、参加者同士、近すぎず遠すぎずな丁度よい距離感のコミュニティがいいですね。自立して働く女性がおだやかにストレス発散できる場所になりたいです。
なんてステキな居場所を提供してるんだろう!めっちゃ楽しそう!作りたい!
…と惹かれまくっている私に、やさしいハマダさんが織物体験をさせてくれました。
ポットマットづくり体験レポ♪
① まずは羊糸を選びます。
季節や作るアイテムなど、その時々でハマダさんが染めた羊糸を揃えてくれています。
ハマダさん:染織作家なので、色にはこだわっていますよ。生活に馴染みやすい色合いに染めています。色選びに時間がかかる方も多いですね。
ほっこり可愛くて、何色と何色を組み合わせようか…そわそわワクワク。
優柔不断な私ですが、ハマダさんからの「初回は2色か3色がいいよ〜」というアドバイスをもらい、(絶対2回目もやる!)と思いながらインスピレーションで3色を選びました。
② 選んだ色で早速、織っていきます。
自分で道具や材料を揃えようとしたら、さて何を用意する?と調べたり、品定めをしたり、説明書を読んだり…と、最初の一歩ってすごく大変ですよね。ですがハマダさんのお陰で道具が揃っていて準備万端なので、すぐ作業に入れます♪
③ 見守ってもらいながら、教わった作業を続けます。
同じ作業の繰り返しなのに、やっぱり間違ったりするんですよね(笑)。一人だと、「あれ?何がどうなっちゃった?」とテンパるところですが、ハマダさんが見守ってくれているので大丈夫!すぐに軌道修正できて、作業が滞りなく進んでいきます。
④ 織機から外して最後の処理をして、完成!
「初めてなのにキレイに進んでいるよ」「右利きだから、そこは感覚を掴むまで仕方ないところだよ」「上手くいかなかったところも、自分が上達するほど同じ風合いは出せなくなるから、愛しくなっていくんだよね」などなど、ハマダさんの声掛けで気分を良くしながら作業に没頭して、約2時間半で完成しました♪
初回なので複雑な柄を入れていませんが、柄によって作業時間は大きく変わるそうです。
とっても贅沢で癒される時間でした。
“生活に馴染むものを作る” ということもあって、持ち帰ってすぐに自宅で愛用できるのも嬉しいところ。贅沢な癒しの時間がずっと続いていく感じが良いですね。
そして体験を終えると、帰り際にチェアマットが目に入り、「これも作りたい…どうやって作るの?」と制作意欲湧きまくりの自分がいました。
チェアマットは大きな織機で作るそうです。
ついつい隙間時間はスマホばかり見てしまう現代社会ですが、手仕事をはじめるとデジタルデトックスにもなりますね!
「ものづくりしたいけど時間が足りなくて、そこまで手が回らない!」
「何から始めたらいいか分からない」
「一緒に楽しむ仲間が欲しい」
そんな方は、まずはハマダさんの織ワークショップに参加してみるといいかもしれませんよ〜!
(ホシナ)