富岡市内の手軽に楽しめるおでかけスポットを紹介する「おでかけしようよ!ふらっとTOMIOKA」シリーズ。以前にも「東富岡さんぽ」や「まちなかレトロ商店街」など、市内の穴場スポットをご紹介してきました。
今回は、歴史が薫る上州七日市駅周辺をゆっくり歩いてみましたよ!!
◆旅のしおり◆
上州七日市駅 〜 群馬県立富岡高校・旧七日市藩邸跡 〜 蛇宮神社 〜 大正堂 〜 小嶋屋 〜 金剛院
キレイな駅舎に生まれ変わりました
上州七日市駅からおさんぽスタートです。
明治45年に開業した上州七日市駅。
以前使われていた旧駅舎は、築70年以上が経ち老朽化が進んでいたことや、駅前の道路が狭い、駐車場・駐輪場がないといった使いづらさがありました。
そこで今から5年前、使いやすい駅舎と周辺道路の整備を目指し、地域住民・高校生・上信電鉄社員のみなさんで「どんな駅にしたいか?」を話し合うワークショップが行われました。
そして令和元年、みんなの希望やアイディアが活かされた「新しい上州七日市駅」が誕生したのです。
駅舎内の待合室を覗いてみると、本棚にたくさんの本が並んでいます。
木のぬくもりが感じられ、居心地の良さそうな待合室ですね。
.
七日市駅前は、歩きやすくキレイに舗装された道路が印象的です。
ふだんは急ぎ足でなかなかゆっくりとお散歩する時間がないのですが、今日は気になるものに足を止めながら、のんびり歩いてみましょう。
歴史的建造物が見られる学び舎へ
上州七日市駅からまっすぐ南へ190メートル進むと、群馬県立富岡高校に到着です。
入口には「旧七日市藩邸跡」の看板がありますね。こちらの門が空いていれば自由に敷地内に入ることができ、七日市藩邸跡の見学ができます。
こちらの御殿は旧七日市藩の陣屋正殿跡です。
1843年に再建された御殿は、その一部を残して取り壊し、場所や向きの変更などを経て現在の姿が残っています。
御殿のなかには甲冑や土器、古文書などが保存されているそうですよ。(御殿内部に入ることはできません)
高校の敷地内には、ニシキ鯉がおよぐ池や、手入れの行き届いた回遊式庭園もあります。
「こんなにすてきな場所に藩の歴史を残す建物が現存しているとは、なんて誇らしいんだろう」と素直に感心してしまいました。
学校敷地内に陣屋跡が残されている高校は全国でも非常に珍しく、旧藩邸の建物が残されている例はほとんどないそうです。
.
続いて、富岡高校の裏手にある蛇宮神社へ向かいましょう。
キレイに整備された道路を歩いていると…
足元になにかの視線を感じて下を見てみたら…!!これって顔ですよね?!
おさんぽ中にときどき遭遇する「ナニコレ」的なサプライズが嬉しいです。
地域の暮らしを支えてきた歴史ある神社
富岡高校に隣接する蛇宮神社へやってきました。
古くから養蚕で栄えた富岡地域では、お蚕の天敵であるネズミを駆除するために蛇を崇め、その力を借りるという慣わしがあったそうです。蛇宮神社はネズミの天敵の蛇を祀っていることから「養蚕の守り神」として崇められてきました。さらに蛇は龍の化身であることから、この土地で大切にされ、地域の人々の暮らしに根付いている神社なのです。
そんな蛇宮神社では春と秋の年に二回、例大祭が行われます。春のお祭りではたくさんの露店が並び、秋の例大祭ではこの地域に古くから伝わる「太々神楽」の奉納が執り行われます。
生まれ育った郷土にこのような大きなお祭りがあることで、七日市住民のみなさんには連帯感や繋がりを大事にする感覚が自然と身についているのかもしれませんね。
ふだんはひっそりと静かな境内では、近くにお住まいの方々がお散歩を楽しまれていました。すれ違うたびに「こんにちは」と挨拶を交わし、あたたかい気持ちをいただきました。
昔の暮らしに思いをはせて街道を歩く
富岡市内の主要道路のひとつに「姫街道通り」があります。 この姫街道という名前、前から気になっていたので調べてみると…
______________________________
【上州姫街道(下仁田街道)】
中山道の脇街道として本庄宿から分岐し信州へと続く道。険しい山道を避けて、だれでも利用しやすいルートとなっており、女性でも簡単に利用できる道として『姫街道』と名付けられた。 物資の往来が盛んで、街道沿いの各宿場では米、生糸や麻、煙草、漆などが取引されていた。
______________________________
なるほど、名前の由来がわかりスッキリしました!!
では、七日市藩邸跡(富岡高校)から姫街道を東に進んで歩きましょう。
姫街道沿いには昔ながらの老舗商店が今も残されていて、その昔は多くの人が往来していたことが伺えます。きっと交通の要となる賑やかな地域だったんでしょうね。上州姫街道沿いの宿場町をめぐる旅もいつかしてみたいです。
\\ 七日市 ちょっとより道 〜おやつ編〜 //
姫街道沿いには魅力的な商店がたくさんあります。そのなかで今回は、和菓子とおやつのお店をご紹介します。
《 大正堂 》
姫街道通りにある大正堂は1916年(大正5年)創業の老舗和菓子店です。お店に入ると店主の奥さまの勝子さんが笑顔で迎えてくれました。
ショーケースにはどら焼きやレモンケーキ、ようかん、栗饅頭などが並んでいます。どれも美味しそうで、あれこれ選ぶのも楽しいひとときです。
はじめて訪れたお店なのに勝子さんとの会話が弾み、しばしお喋りタイム。
おさんぽ旅では地元の人たちとのふれあいも楽しみたい派!です。
.
《 甘なっとう 小嶋屋 》
富岡名物としても名高い甘納豆専門店の小嶋屋さん。店内には小豆、そら豆、白花豆、あんずなどの甘納豆がずらりと並びます。小袋(80g)に入ったお手頃サイズの甘納豆もあり、いろんな種類を味くらべできるのも嬉しいですね。
お店の創業は昭和31年。いまも昔ながらの製法で甘納豆を手作りしています。二代目の木元裕子さんにお話を伺うと「ここの甘納豆は、男性のお客さんのファンが多いんですよ。」とのこと。
丁寧に仕込まれた甘納豆はどれも上品な甘さで、お茶請けにもってこい。地元の方だけではなく、遠方のお客様にも愛されている逸品です。
ピカピカの七福神を拝みに 〜金剛院〜
道路の奥に見えるのは「金剛院」入口の門です。正式名称は「蛇宮山 慈眼寺 金剛院」とのこと。ここには歴史の教科書に登場するシーボルト事件にも関係している通訳者「稲部 市五郎種昌」(いなべ いちごろうたねまさ)のお墓があります。
・・・シーボルト事件ってなんだっけ??となった私。帰宅後すぐに調べました。そうなんです!おさんぽ旅の途中では歴史に触れるキッカケも頂けるのです。
境内を散策していると、ガラス張りのお堂が目にとまりました。お堂のなかには立派な七福神が祀られています。
やわらかい光沢を放つ七福神を拝み、お散歩の最後になんともありがたい気持ちになりました。
.
取材中、七日市で生まれ育った方々に地域のお話を聞くと、みなさんの言葉の隅々に地元愛を強く感じ、七日市を誇りに思っていることが伺えました。また、住民同士のつながりも深く、地域行事や集まりに積極的に関わっているそうです。
さらに「生活するにもとても便利な場所だ」とみなさん口をそろえて仰っていました。地域に大きな市立図書館があり、子どもたちが通うこども園や小中学校も近所にまとまっていて、にぎやかな若いエネルギーが溢れていました。
いかがでしたか?ふだんは車で通り過ぎてしまう街道沿いも、歩いてみると新鮮な発見や出会いがありますよね。お次はどこへ行ってみようかな♪
みなさんのおススメおさんぽコースがありましたら、ぜひお知らせください!また、「この地域の特集をしてほしい!」などのご要望もお待ちしています。
(マツオ)